最近夢中で読んだ本、マイクル・クライトン
マイクル・クライトン、「ネクスト」
マイクル・クライトンは映画「ジェラシック・パーク」を見て、その原作者と言う事で
知った作家だ。最新の科学技術をテーマにした小説を書くので興味深く注目していた。
昔、一時期、英語の本は英語で読もうなどと無謀な事を考えた時期があって、分からない
なりにも一生懸命読んだものだ。英語の力が上がったかどうかは定かではないが、
それはそれで楽しかった。
その時にも、好きな分野ということでクライトンの作品が多かった。
一番よかったのは、「Timeline」という作品だ。
量子コンピュータの技術によるタイムマシンというのが科学技術の要で、
イギリス、フランスの百年戦争の時代に入り込みフランス、イギリスを舞台にして
時空を超えて大活躍する話であった。
その次は、「Prey」という作品で、複雑系の話がテーマであった。微小生物を
複雑系の考えで組織化し人間の営みの中に適用しようとした時、思わぬ結果を
引き起こしてしまって悪魔の力を作りだしてしまったというような話であった。
どれも、実におもしろかった。
しかし、もう疲れたので日本語で読むことにした。
今回は、「ネクスト」だ。
遺伝子操作の話がテーマだ。
遺伝子操作で難病が治るのあれば遺伝子さえ売買の対象になるのか。
人の組織や遺伝子はだれのものだ。
人がもたらす犯罪や災いが遺伝子の影響下にあるものであれば、其の人の持つ
遺伝子が、其の人のリスクを示す尺度になるのか。
前に読んだ、ジャック・アタリの本には、将来、保険会社の下に人間の全ての行動が
規制され管理される時代が来るかもしれないとあったが、そういう管理判断の基準に
遺伝子が使わるのかもしれない。
そういう恐ろしい可能性を小説に仕立て、心ある人たちに警鐘をならそうというものだ
と思う。面白いがいろいろ考えさせられる本だ。
もの言うオウム、ジェラールのお喋りがとても面白い。
すべて、映画のセリフだそうだ。
毎週火曜は最近夢中で読んだ本の話です。