恥ずかしながら墨の事がほんの少しだけ分かってきた。
といっても画を描く場合の話だけど。
墨には基本的には松煙墨と油煙墨の2種類があって、松煙墨は青色系で
油煙墨は茶色系だ。
水墨画では茶系を使う事が多いので最近は茶色の出方に関心がある。
しかし、以前から中国に行った時、わけも分からず、値段だけで、勝手に
「いいものだろう」と決めて買って帰っていたが、結果的に好いものに
あたらなかった。
それで、日本で文房四宝の老舗に行って相談してみた。
すると、最近は筆と墨は日本の方が良い墨を作っているという事だ。
「むしろ中国人がやってきて、筆と墨を買って帰るよ」と聞いた。
やはり、文革時代に職人が生活できなくなって、いなくなったようだ。
それで、日本の墨を買ってみたが、やはり好い!好い色が出ている。
茶色もいいし、青色も又好い。
聞いてみると作ってから40年以上はたっているようだ。
しかし、その老舗の主人によると、繊細なものを描く用途には日本の墨が良いが、
大きなもので存在感を出すにはやはり中国の墨が良いという。
その違いはまだ分からない。
それで、中国の墨もそんな目で見直して、又、買ってみようと思っている。
しかし、墨は買って使ってみないと分からないので、当たり外れも多くなる。
これは、今、使っている、墨だ。
左上が中国の古い(という)墨で松煙墨。
左下が日本の松煙墨。
右上が中国の油煙墨。
右下が日本の油煙墨。
いろいろと奥が深いなあ。
毎週月曜は、こだわりのモノの話です。