中国、廬山&安徽、文房四宝の旅−65、杭州市、最後の朝の散歩ー続き。

杭州市、最後の朝の散歩ー続き。

さて、雷峰塔が見える東屋のあたりでじっくりのんびりするのはええやけどそろそろ
帰ったほうがええ時間になってきた。

見た目にはとても雅な風景ではあるけど、すべてが新しい。これが古い木の橋であったり、
雷峰塔が古いレンガと土くれの塔であったりしたらどれほど風情があるか、

残念ではあるが無いものを言うてもしょうがない。
おや、さっきの広場で今度は何が始まった?

太極拳みたい。これだけの人が一斉にやると結構迫力がある。

西湖湖畔はとても面白い劇場だ。

前に少しの間滞在してた時も殆ど毎日のように西湖の周りを散歩してた。
太極拳や体操は勿論、ダンスや歌謡大会をやってるときもある。
基本的に見せるのが好きみたいやね。いろんなパフォーマンスを1人か集団でやってみせる。
陶酔しながらやってはる人も多い。
特に6月の終わり頃になると西湖のあちらこちらで沢山の蓮の花が咲いてとても美しい。
それにつられて沢山の人がやってくる。自然とパフォーマンスをする人も増えていろいろ
楽しいものが見られて興味深い。
それといつも決まってある場所にいくと、水で書を書いてる人がいてはった。いつも
バケツと箒か大きな筆かわからんようなものを持ち歩いてはってアスファルトあるいは
コンクリートの地面の上に見事な書を書いてはる。
さすが漢字の国やなあって感心する。
中国って、ミーハー的な観光地で皆さんほどよく楽しんでるって空気が強いのに
同時にどこか古い文化の香りがすることが多いのに驚きであり面白いところでもある。
やっぱり4000年の歴史、懐が深い。
北側の真ん中まで歩いて行ったら蘇堤や白堤の入り口がある。蘇は蘇東坡、白は白居易だ。
それだけで文化の香りがするではないか。目に見えない所に文化と歴史がいくらでもある。
西湖の白堤の横にある西冷印社がある小さな島に渡る西陵橋の袂に蘇小小の墓を見つけた。
墓と石碑がある。
こんな人誰が知ってるんやろって思うほどマイナーな存在ではなかろうか?
でも中国では誰でも知ってる? みんな写真撮ってはる。
確か李賀の詩にでてきた薄幸の美女。
わしが物知りなんではなくて、昔、沢木耕太郎の深夜特急って有名な本を読んでたら
無聊をかこつ徒然に李賀の漢詩を読む話が出てきた。「飛光よ 飛光よ 汝に一杯の酒を
酒を勧めん・・・・・」というカッコええけどかなりシュールでもある詩だ。
あんまりはっきり覚えてへんけど、「蘇小小歌」という詩も出てたと思う。もしかしたら
後付で知っただけかもしれんけど、
幽蘭の露 啼ける眼の如し 物として同心を結ぶ無く 煙花は剪るに堪えず
草は茵の如く 松は蓋の如し 風は裳と為り 水は珮と為る
油壁車 久しく相待つ
冷ややかなる翠燭 光彩を労す
西陵の下 風雨 晦し
実に美しいけど不気味でもある。この世のことなのか?あの世のことなのか?
幽界冥界相交わる調べなのか?
旅の本の想い出とここで繋がった。
僅かな知識を振りかざすより、もっと広い文化が先にある。恐るべし。

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ありがとうございました。