幻の赤霧島

昨年の暮れに、幻と言われる焼酎、「赤霧島」を飲む機会があった。
これは、私の老朋友がある飲み屋に秘蔵していたのを飲ませてくれたのだ。
前から芋焼酎、「霧島」っておいしいなあって思っていたが、その中でも
特に紫芋から作ったのが赤霧島で、限定販売品しかないのでなかなか飲めないと
聞いていたのだ。
ちょっと一口飲んでみて、噂どおり、本当においしいと分かったので、
何も割らずにストレートで飲むことにした。
芋独特の癖も殆どないし、それでいてしっかりした個性も感じる爽やかな飲み口だった。
味わい深く、旨いのでいくらでも飲んでしまう。
それで、友人と二人で一升瓶のかなり残っていたのを空けてしまい、更に今度は
黒霧島という具合で、その日はしたたかに酔ってしまった。
この店、大阪はミナミのかなりディープな場所にあるディープな居酒屋だ。
それに、客もディープな常連さんが多く、一人では来る機会がなかったと思う。
料理も家庭で作るような煮物が中心で酒飲みには嬉しいかぎりだ。
友人に感謝の一夜であった。

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しかし、幻とか限定とか言われて珍重される酒は、ステータスばかりが
先行して、気がついたら平凡な味になっている事がよくあるので
この酒も本物の味をいつまでも大事にしてほしいものだ。

毎週金曜は酒や茶に関する話です。