陶淵明も酒は止められん

五柳先生といわれた陶淵明には有名な飲酒の詩が沢山ある。
特に飲酒二十首は有名で、詩酒合一の文人の心がよくわかる。
自然を愛で、人を愛で、酒を愛でる詩人の心と
飲まなきゃどうにもならない満たされなさがひしひしと伝わってくる。
しかし、たまにはシャレで、「酒を止めよう」とか思った事があるの
だろうか。
それとも詩をひねる時の冗談のネタなのか、
こんな詩がある。
止という字を各行にちりばめたわけだ。

平生酒を止め不
酒を止むれば情喜ぶ無
暮れに止むれば寝を安んぜ不
晨に止むれば起くる能わ不
日日之を止めんと欲するも
営衛止むれば理まら不
徒だ知る止むるの楽しから不るを
未だ信ぜず止むるの己を利するを

結局は、止めてもなんの好い事はないということで、
やっぱり止められない。
私も同感ですわ。
この画は石濤の「平生酒を止め不」の意を画にしたものを
模写しました。
練習!練習ですな。

toenmei090918

毎週、金曜は酒や茶に関する話です。