茶缶といえば、京都の開化堂の茶筒が有名だ。私もいくつか持っている。
これは素晴らしい工芸品といえる。
茶筒に茶を入れて、中蓋をし、おもむろに上蓋をそっとかぶせて手を離すと
上蓋が自重で静かにおりていって、ぴたっと最後まで収まって止まる。
芸術品だ。
手触りもいい。何十年も手で撫で、さすりながら育てていくのだそうだ。
そこまではめんどうだから棚のうえに載せて大事にしている。
全ての茶をこういうものに入れて保存できたらいいが、残念ながらかなり
値段が高い。そうそう幾つも買ってしまうというわけにはいかない。
「もっと安くてええもんはないか?」
いろいろ探してみたがなかなかいきあたらない。
「中国は茶の本場やからきっとあるだろう」
それで、先日、揚州、蘇州の旅に行った時に探してみた。
その時に茶缶を探しに行った話は前のブログで少し書いた。
つまり、上海の天山茶城に行ったのだ。
ここは茶の専門店が集まった茶のデパートだから、きっとあるだろうと
思ったからだ。
なかなか見つからないあいだに、別の楽しい物をいろいろ見つけてそれは
それで収穫があったが、最後に茶缶の専門店を見つけた。
確かに店中が茶缶だ。しかし、よくお茶屋さんで缶入りで売っている茶の
茶缶のようなものがほとんでで、あまりそそらない。
おっ、結構りっぱなのがあるやん。
ちょっとごついがしっかりしたのがあった。
「これ幾ら?」、「200元」、「まけてよ」
首をふってことわられた。
「どれくらい入る?」、「半斤くらいやね」というと250gくらいだ。
まあ、ちょうどいいくらいか。
ブリキではなくて錫の引きものだ。自重で蓋が落ちるというところまで
精巧ではないが、かなりしっくりとはまっている。
どれにも、茶葉が少し入れてあるのは、殺菌の意味なんやろね。
しばらく使ってみよう。
しかしやっぱりブリキのが欲しいなあ。
毎週、月曜はこだわりのモノの話です。