奈良バテバテ自転車の旅ー02、西の京へ

自転車専用道路は、川沿いを走っている。
このまま西の京に向かうのだ。時には川の右岸を走り、時には左岸を走る。
日差しが暑いので、時々水分補給が必要だが、川風が快適だ。
総勢5人、3人はマウンテンバイクを借りた。後の2人は、体力の不安を考えて
電動自転車にしたが、意地をはらずにこういう選択をするのが大事な事だと後でよく
わかった。
そういえば、何となく尻が痛い。
最初借りた時に足の位置は調整したはずだ。それで適当に足を動かしてペダルをこいで
いればいいとおもっていた。
「それしかないやん」
しかし、段々微妙に尻が痛くなってくる。
「サドルの角度とかもきちんと調整しとかんとあかんで」
なのだそうだが、普段こんな自転車に乗らないので気がつかなかった。しかも今と
なっては工具が必要なので調整ができない。
そう言えば、大分前に、中国敦煌に行った時に砂漠を駱駝で回るコースがあった。
それに乗ったのはいいけれど、尾てい骨の辺りがごつごつ当たる。
「痛いなあ」と思いつつ我慢して乗っていたが、駱駝の動きは想像するように
やんわりしたものどころではない。ひょこひょこ、ごんごん早歩きするかと思えば、
急に止まったり、動きだしたり、けっこう荒々しいのだ。それで結局尾てい骨の辺りの
皮がむけてしまってずるずるになってしまった。それからしばらくは痛くてしょうが
なかったものだ。
「あんなになったらいややなあ」
お尻をかばいつつ、時には腰をあげて中腰になりながら自転車をこぎつつ進むのだ。
「路は大丈夫かいな」時々案内板はあるし、路にはしっかり印が入っているから
大丈夫だとは思うが少し不安でもある。
そのうち、唐招提寺が見えて来た。
「あれは薬師寺やで」
見慣れた西の今日の風景だ。車で来る時と目線が大分違うので新鮮な感じがする。
「こんなんもええなあ」
と思うが、ここによってけんがくするわけではないのだ。
「さあ、どんどん行こう」

nara21007-1 nara21007-2 nara21007-3