自転車専用道路は、川沿いを走っている。
このまま西の京に向かうのだ。時には川の右岸を走り、時には左岸を走る。
日差しが暑いので、時々水分補給が必要だが、川風が快適だ。
総勢5人、3人はマウンテンバイクを借りた。後の2人は、体力の不安を考えて
電動自転車にしたが、意地をはらずにこういう選択をするのが大事な事だと後でよく
わかった。
そういえば、何となく尻が痛い。
最初借りた時に足の位置は調整したはずだ。それで適当に足を動かしてペダルをこいで
いればいいとおもっていた。
「それしかないやん」
しかし、段々微妙に尻が痛くなってくる。
「サドルの角度とかもきちんと調整しとかんとあかんで」
なのだそうだが、普段こんな自転車に乗らないので気がつかなかった。しかも今と
なっては工具が必要なので調整ができない。
そう言えば、大分前に、中国敦煌に行った時に砂漠を駱駝で回るコースがあった。
それに乗ったのはいいけれど、尾てい骨の辺りがごつごつ当たる。
「痛いなあ」と思いつつ我慢して乗っていたが、駱駝の動きは想像するように
やんわりしたものどころではない。ひょこひょこ、ごんごん早歩きするかと思えば、
急に止まったり、動きだしたり、けっこう荒々しいのだ。それで結局尾てい骨の辺りの
皮がむけてしまってずるずるになってしまった。それからしばらくは痛くてしょうが
なかったものだ。
「あんなになったらいややなあ」
お尻をかばいつつ、時には腰をあげて中腰になりながら自転車をこぎつつ進むのだ。
「路は大丈夫かいな」時々案内板はあるし、路にはしっかり印が入っているから
大丈夫だとは思うが少し不安でもある。
そのうち、唐招提寺が見えて来た。
「あれは薬師寺やで」
見慣れた西の今日の風景だ。車で来る時と目線が大分違うので新鮮な感じがする。
「こんなんもええなあ」
と思うが、ここによってけんがくするわけではないのだ。
「さあ、どんどん行こう」
奈良バテバテ自転車の旅ー02、西の京へ
- 2010年9月7日
- 近畿地方
- 人