大阪の超ディープなとこで個展をやった−18、4日目、不思議な来客。

昼一番の来客。

さて、4日目が始まった。

ギャラリーの前の路地は全くの裏通り、観光客が通ることは滅多にない。

とても良い感じの路地裏だ。

しかも通天閣が見える。

時々買い物のおばちゃんが通ったりする。その後に、自転車の音がして止まった。

若い男の人が入ってきた。

にこやかに挨拶してくれる。わしも嬉しい。

パラっと作品を見てはる。あんまり興味ある風ではなさそう。

急に色々喋り始めた。

野球の話題が中心だ。家のこととか、友達のこと。

一方的に喋って、相槌をもとめたりする。

なんだか話が噛み合わへん。

結構声がでかい。ちょっと怖い。

そのうち別のお客さんが入ってきた。ほっとする。

彼は、来客ノートの何か書いてる。

そのうち、彼だけが残った。

ちょっと怖い。

なんだかわかってきた。

この人はちょっと違った行動をする人なんや。

専門的な知識がないんでそれが何なんかは全くわからへん。

例えば、ちょっと前にBS放送で、「アスリッドとラファエル」っていうミステリー番組をやってた。とても人気のやつらしい。

自閉症のアストリッドが特殊な能力を発揮して、事件の謎を解決していくというやつだ。

自閉症は病気ではない。それを理解しないとコミュニケーションが難しい。そんなことがとてもよくわかる番組でもあった。

この人がそういう人かどうかはようわからん。なんとなく違う世界を纏ってはるのは間違いない。

あじあん

オーストラリアでも出会ったことが。

そう言えば、ずっと前に、オーストラリアのダーウィンでたまたま、知人の知人の芸術家がおられたのがきっかけで、一緒にグループ展をやったことがあった。

その時の何日目か、友人と2人でギャラリーの当番をしてたら、アポリジニの人が一人、元気よく入ってきた。大きな声で何か言うてはるけど、わからへん、最初はわしらの英語力のせいやと思ってた。根気良く、話をつなげてみるけど、コミュニケーションが成り立たへん。なんだか酒について喋ってるみたいやけど、売りたいのか、買いたいのか、欲しいのか、要らんのか、なんかわからへん。アポリジニがどうというより、なんだか、違う行動パターンの人らしい。

結局は、何がなんやらわからんうちに出て行きはった。

あじあん

千違万別。

世の中、いろんな人があって良いと思う。

それが病気とは限らへん。

ハンディキャップかもしれん。

お互いがゆるっとやっていけたら良いと思う。

わしかって、歳とともにできへんことだらけ。

痴呆に認知症、腰が動かん、足が動かん。

それでも今のところなんとかやってます。

それぞれが違って当たり前。

多様性の時代。

生きていくには知識も要るなあ。