さて、元気一杯、フフフフとうそぶきながら出発していった熟年ロバガールを見送ったし、
飯も食った。熱いお湯ももらった。ここから先はNAMCHE BAZAR(ナムチェ バザール)
まで水を買えるような店はないのだそうだ。頑張って歩かんとあかん。
標高3400メートルまであと数時間かかりそうだ。川べりをしばらく歩くと、
このコースで一番高いところにかかる吊り橋があるそうだ。古い橋と2本かかっている
らしく、それを越えるのが本日1番の難所やと聞いた。(本当はもっと難所が色々あった)
一気に高度差を詰めるというのは高山病的にはハラハラするけど、今のとこは
軽い頭痛だけやからあんまり気にせんと行こう。
ちょっと前に通った村の出口あたりでしきりにロバが横に寝てガサガサしてる。
ようみたら背中をこすりつけるような仕草をしてるんでどうも背中を掻いてるらしい。
まああんだけ荷物を担がされたら背中に擦り傷が一杯できて痒くなるわなあって
同情してしまう。この街道はロバやゾッキョあるいは羊みたいなのに隊列を組ませて
荷物を運ばしてるけど、ロバに向いた荷物、ゾッキョに向いた荷物なんてあるんやろか?
誰が何を運ぶか結構気になってガイドさんに聞くんやけどもひとつはっきりわからん。
持ち主次第なんやろか。左右おんなじでちょうど動物1頭が運べるくらいの荷物に
パッキングするのも結構大変やろなあっておもう。
これは何かと言うとアラジンの魔法のランプやのうて、香料をたくものらしい。
どんな村に行っても軒先にぶら下げてある。旅の安全を山の神様に祈るんやろか?
その2本吊り橋までは、まだ3本くらい、つり橋を渡っていかんとあかんらしい。
河原の道をテクテク歩く。
それほど落差はないんで今のところはしんどくない。
30分以上歩いたら、遠くに2本吊り橋が見えた。なるほど高いとこにある。
上の方が現役らしい。ここか一気に登るというのは誰でも見ればわかる。
おもわずひるみそうになって休んでたら、河原に座って休んでる若者から声が
かかった。韓国から来たらしい。ガイドもポーターもなしで一人で歩いてる。
小太り気味やけどがっしりしてるんでこんなとこは何でもないんやろ。
「疲れたか?」、「疲れた」(橋を見ただけで疲れた)
「ええもんやるわ」、「何」、
「これや!」、
とボトルを差し出してきた。「これはよう効くで」と笑いながら言う。
いかにも妖しげやんか。「アルコール?」、「いやいや、薬草や」と言う。
これからきつい登りが続くのにお腹を壊したくない。
断りたいけど、無下にもしにくい雰囲気だ。
どうしよう。「では一口だけ」、たくさん飲むふりしてちびっと一口いただく。
いきなり元気になるわけもないけど、いきなりお腹こわしたりもしなさそう。
「ありがとう」
彼はぐんぐん先に行く、わしらは後からゆっくり行く。
吊り橋の登り口まで行くのも大変な坂だ。ヒーヒー言いながらやっとついた。
下を向いたら怖いくらい高さがある。
それに長い。慎重に渡ろう。
やっと着いたら、そっから本格的な登りが始まる。
山はきれいやけど、息があがる。
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ありがとうございました。