やっと最後のつり橋を渡りきったら、そっから容赦無しの急坂が始まる。高度は
3000メートル近い。結構息が上がる。大きい動作で吐いて、吐いて、吸うてと
しっかり呼吸をせんと酸素濃度が一気に下がる。頻繁に水分補給も必要やけど
あんまり休みすぎたらかえって疲れるんとちゃうやろか、ゆっくりゆっくり登ろう。
なんてタラタラしてたら、後ろが騒がしくなった。ゾッキョの一隊がワサワサと
登って来たようだ。山側に寄って道を空けよう。
なんてタフなんやろ、降りてくるロバの隊列もすれ違う。とろい人間は弾きとばされ
そうだ。
ハーハー言いながら登っていくと、少し開けた場所に着いた。ここがこのコース最初の
エベレストビューポイントなのだそうだ。空は曇ってるから何も見えへん。
幸いトイレがある。みなさんゆっくり休憩してはる。わしらもそうしよう。
高山の上にある無人トイレのわりにはわりと綺麗にされている。
おや、「こんちは、久しぶり」
昨日の朝、抜きつ抜かれつしてた単独行の日本人の人に又出会った。
「元気やねえ」とほめてくれるけど、「あなたこそ元気じゃないですか」と返す。
ポーターなし、ガイドなしでここまで来たからには最後まで一人でいけそうだ。
多分、61、2歳くらいではなかろうか?すごいなあ。
ではわしらも頑張ろうと歩き始める。
林の向こうにいるのはカモシカらしい。
ガイドさんに教えられて始めて気がつく。自分でキョロキョロ観察しながらという
余裕はない。こういうしんどい時のために塩飴やら、何種類か飴を持って来たけど
食べられへん。息が苦しいんで大きい息をしつつ歩いてると口の中の飴玉が邪魔に
なってしゃぶってられへん。
綺麗な花があっても気が付くかへん。
晴れないものの山も美しい。
登っても登っても登り道だ。途中でガイドさんは裏道に逸れた。こっちの方が
緩いか? そんなわけはない。行き先は同じだ。
17時を過ぎる頃やっとナムチェ・バザールの入り口に着いた。
ここで又入山登録をするらしい。
さあ、着いたかと安心するのはまだ早い。
ナムチェ・バザールの村は斜面にそって展開してる。
目指すロッジは中腹にあるらしい。
一旦着いたと思ってしまうと足が鉛のように重くなる。
ブログランキングに参加しています。もしよかったらポチンとお願い致します。
にほんブログ村
ありがとうございました。