ロバや牛や羊と一緒にあるいはすれ違いながら山道を歩いていく。不思議なことに
ルクラからずっと一匹の犬が付いてくる。後になり先になり、何が気に入ったのか
わしらの後をついてくるのだ。帰られへんようになったら困るんでできるだけ、
関心を引かんように知らん顔をしてるんやけど小走りについてくる。ガイドさんは
全く気にしてへんからまあいけるんやろ。それと一緒にしたらえらい失礼になるけど
ルクラを出る時に一緒だった方、わしらより少々お若いけど大きなリュックを
背負ってポーターも雇わず1人で黙々と歩いてはるんやけど、ペースがわしらの
似てるんで休んでたら追い越され、歩いてたら休んではって抜きつ抜かれつ同類行
となってしまってる。そんなわけで犬とは喋られへんけどこの方とは顔を合わす度に
そこそこ声を掛け合うようになった。どうやら殆どわしらと同じ行程を行かれるらしいけど
どこまで1人なんやろ?
ガイドさんから、このままやと昼過ぎに本日の目的地、パグディンに着きそうやけど
着いてから昼飯を食うか、もうすぐ着くタドコシというあたりで昼飯食うかどうするか
と提案があった。パグディンまで行くと谷の底の方にある集落にあるロッジに
泊まるんやから多分はよ着いた分、暇でしょうがないんとちゃうやろか?
多分そうです。
では、この辺りで飯にしようよ。
歩く旅で昼飯というのは区切りでもあるし楽しみでもある。飯と聞いただけで
元気もでるのだ。
途中、途中の村には摩尼車やお経を書いた石板が積まれていることが多い。
こういうものに触れながら旅の無事を祈りつつ歩くのがおかしい。
村をいくつも抜けて、
吊り橋を渡って、
まだまだかなあって思うころ、さっきの人がへたり気味で休憩してはった。
実はわしも呼吸が荒い。今日は降っていくだけの行程やから大丈夫やと思って
たんやけどもしかしたら高山病症状が出始めてるんかもしれん。
お互いしんどいですなあって言い合ってるとガイドさんが、「ここで食事ですよ」
と道路脇のロッジに入っていった。
「Sherpa’s View Point Lodge&Restaurant」と言うらしい。
可愛い女の子がいてる。
わしらを見て恥ずかしそうにしてる。3歳くらいかな?
一生懸命お母さんのお手伝いをしようとしてる仕草がかわいい。
ポケットに歩きながら舐める用の飴ちゃんが入ってた。いくつかあげると、
にっこり笑ってくれた。
可愛いね。
楽しく待ってるうちにカレーが出来た。
欧米人のトレッカーが多いんでそういう人向けのメニューも一応はあるみたい。
でもわしらは土地の食いもんがええ。これはチキンカレーだ。
青梗菜とチキンのカレーにダルスープがついただけのとてもシンプルなカレーだ。
それほど辛くないけど素晴らしくおいしい。青梗菜は湯掻いただけという感じ、
とてもフレッシュだ。そういえばこの辺の畑は青梗菜だらけやった。
それにダルスープがとても美味しい。
お母さんの優しい、優しい味がするようだ。
大根のアチャールもとてもおいしい。
食べ終わったら、チャイを飲む。
今日は時間がいくらでもあるからゆっくりできる。
ビューポイントという店の名前だけに景色がとても良い。
ヒマラヤ山中に居るという気分にさせてくれる。
おや、お母さんと一緒、いいねえ。
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ありがとうございました。