さて、市平橋についたらえらい賑やかだ。スタッフも沢山出迎えてくれる。
ここでトイレに行く人は送迎バスに乗って5分ほどのところまで行かんとあかん
のだそうだ。休憩やらトイレやらなんやらかんやらでチームも組み替えて、再出発
するそうだ。最後のリタイアする人もここで車に乗る。
そんな騒ぎでてんやわんやになってる。満開の桜をぼっーと見てたら何が何やら
わからんようになってる。皆さんトイレにいくからなかなか次のチームが組まれへん。
しかも、片道5分の送迎バスは30分待ってやっと帰ってくるというしまつだ。
あっという間に14:30頃になってしまった。
それでもここでごっそり減るんかと思ったメンバーがあまり減らずに再出発。
ここから一山越えるらしいから登りが始まる。
一気に下って下って、長く休んで、又登りとわかると結構きつい。
腹も減った。
コンビニなんかありそうにない。
もうちょっと頑張ろう。
橋をでたら数メートルで山道に入る。ここから延々と登りが続く。
暫く歩くとすぐに前がつかえた。登りはみんなしんどいから、どうしても遅くなる。
十分距離が離れて出発したはずでも追いついてしまうのだ。
ここから先は小さなせせらぎに沿って進む。
樹林帯の中を水音を聞きながら歩くのは気持ちが良い。
このあたりを、「わらん谷」と言うらしい。
時々、滝が見える。
小さい滝ながら結構姿がよくて風情がある。
道は谷間を縫って上がって行くんで思ったほど急登ではない。
道は時々川を渡るんで渡渉はないけど足場がよくないんで丸木橋を渡るのが
危ないときもある。
林の中の木と木の間に小さな平地が見れるところがちらほらある。これは、昔の
田圃跡らしい。江戸時代にこのあたりは年貢の取り立てがあまりにも過酷やったんで
こんな風に隠し田を作ってしのいでいたのだそうだ。こんな山の中まで検地には
来いへんかったんやろ、えらいもんだ。
大戦中にも耕作された時があるらしい。
しばらく喘ぐと山道が終わった。そこからは舗装された林道だ。これを登り切ると
明神ヶ田和という集落に着いた。
やれやれこれで登りが終わりだ。
集落内は通り道だけなんで休憩したいけど、大人数がわらわらしてるとえらい
迷惑になる。一息だけ着いたら出発だ。
時々、舗装の林道に入りながらも古道をえらんで下る。
わしはぎっくり腰を庇いながら歩いてるんで硬い舗装の降りは結構こたえる。
さて、とうとう視界が開けて街がみえた。
ここらが五軒畑というらしい。
展望台まで出ると、橋本の街が一望できる。あの橋を渡ったあたりが終着点だ。
あと少し。もう足がガタガタしてきた。
どんどん降りて定福寺まできた。ここが黒河道の起点らしい。
感慨に浸る間もなく気持ちは先を急ぐ。早く終わりにしたい。けど足ががたがたや。
アスファルトの平地をロボットみたいに歩く。
紀ノ川にかかる橋を渡って応基寺にやっと着いた。
これでお終い。
19kmの降りは、登りもあったけど、長くてしんどかった。足腰がガタガタになった。
こんなんで夏の高野山から小辺路の長丁場は大丈夫かいなと心配になってきた。
また、頑張って体を鍛えとかんとあかんのやろか?
この話はこれでお終い。
腹が減った。
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ありがとうございました。