さて、一夜明けた。もう今日は雨は降らへんやろと思う。今まで毎日毎日、折角の
奇観絶景の旅やのにしょぼしょぼ雨が降っていた。今日は朝から曇ってはいるけど
雨模様ではない。では、いつものように朝の散歩に行こう。今回の旅は、殆ど全部
の宿が朝食付きになっている。今までにはないことだ。今までは日本からネット予約
やったんで朝食をつけると明らかに高い。今回は旅行業社に頼んだら、朝食付きで
同じ様な値段あるいはやや安く泊まれている。それはそれで楽で簡単でええんやけど
朝飯を探してはらはらしながらうろついて、思わぬ偶然でおいしい粥屋さんを
みつけたり、包子やさんや煎餅(といってもセンベイではない、メリケン粉を薄く
伸ばしてクレープみたいにして卵や野菜を巻き込んだ食い物だ)の屋台を見つけたり、
或いはおぼろ豆腐みたいなものを食わせる店があったりと、その土地独特の暮らしぶり
の中で現れた朝飯商売を経験さしていただくことができると、これが旅の醍醐味やんか
と嬉しくなるのものだ。
もちろんええことばっかりではなくて、なんも見つからへんで、コンビニでサンドイッチ
みたいなのを買ってすまさんとあかんこともあるんやけど。
今回はその部分の楽しみがないんで、ちゃっちゃと朝飯ビュッフェを済ませて
散歩でも行こう。
少し時間に余裕がある。
と言うのは、今日の行く先の道路が工事中やからというんで行き先を調整した
のを思い出して、出発を早めようって提案したら、昨日、遅くまで走ったんで
運転手さんが結構コタエてるらしい、少々遅い目にしてほしいということになったのだ。
昨夜の晩飯探しでもかなり走ったし、少々わがままがきつかったかなって若干
反省せんでもないけど、理不尽な要求をしてるわけでもないし、お互い納得ずく
の話やからがまんしてもらわんとしゃあないわいと思いつつ、表にでる。
ホテルは川の側やから、昨晩飯を食ったところとそんなに離れてはいないはずだ。
けど朝見る景色と夜見た景色では印象がまったくちがうようだ。
目の前に大きな河があって昨晩、飯を食いながら見てた橋が見える。
この大きな河が瀾滄江という名前で、ラオスに入ればメコン河になるというのだ。
確か、5年前にラオスのルアンパバーンというところに行った。メコン河の畔りに
ある床しい村だ。その村は仏教と共に暮らすとても穏やかで印象的なところやった。
目の前にメコン河が滔々と流れていたけど、そこを上り下りするスピードボートは
はるか中国から来たり、中国に行ったりしてると聞いた。まさにここからでは
ないのか。
河があればどこからどこまででも繋がってしまう。人智では計り知れない自然
の大いなる様を感じてしまう。
いつかまた、ラオスの上流に行ってみたい。
心穏やかな風景が忘れられへん。
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ありがとうございました。