掛け軸の表装の仕方なんかを習いに行っている。自分でやったら安くできるんでは
ないかというスケベ根性で習い始めたんやけど、細かいところにとことん手間暇を
かけるし、それが日本の伝統的な紙や道具の使い方や技につながっているようで
とても奥が深いということがわかってきて、こんなんを自力でやるのは無理やろ
なあっていうのが段々とわかってきた。
そやから逆にいろんなことをやってみるのが面白くなってきている。
そんな状況なんで、掛け軸をやってみたあとは巻物をやってみようと思った。
丁度半切サイズ(約35cmx120cm)の水墨画を横並びで2枚描いて遊んでみたところ
やったんで、これをつないで一本の巻物にしたらどうやろかと思ったのだ。
併せて作品長が2.4mになる。面白そうだ。
先生に相談すると、何の問題もないという。
ついでに表の布も自宅にあったやつを使ってみて手作り感とわがもの感をだして
見よう。
最初はそれぞれの作品に裏打ちをする。2度やった後、雁皮紙でさらに裏打ちを
する。横長の紙なんで裏打ち紙はいくつにもわけて継いでいかんとあかん。
継ぎ目はもちろん食い裂きといって紙の端をギザギザにちぎり切ってギザギザ面
を合わせるようについで厚みがでないようにする。何時まで経っても上手になれへん
工程だ。最後の雁皮紙が薄くて脆いんでものすごく難しい。しかし、これで巻物
になって拡げたり巻き戻したりするときに滑りがよくなるそうなのだ。
次は、面になる布や飾りの紙にも裏打ちをする。
それぞれのパーツを全部裏打ち(裏から紙を貼って補強すること)を済ませると
それぞれを継いでいく。
継ぎ代は1分だ。つまり約3mmということ。はみ出さないよう糊を塗って、ピシッと
糊付けしたらアイロンをあててしっかり留める。こういくことだけで総てが繋がって
いくからすごいもんだと思う。
総てが繋がったら巻き軸になる丸棒を加工してつける。
巻き始めになるところに芯になる細い木を入れ、巻紐を付ける。
これでできあがりだ。
こうして書いてみると簡単なようやけど結構手間暇かかった。
出来たのを見てるとかっこええように思う。
それでは拡げてみよう。
一気に全部拡げるとかなりのパノラマ感がある。
ええやんかと自己満足。
この絵は、ネパールに行ったときの絵だ。
カトマンズから東にバスで2時間ほどのところにあるナガルコットという山の村
からチャングナラヤンという紀元300年ころあった寺院の遺跡をベースに1700年頃
再構築されたというパール最古のヒンドゥー教寺院まで、早朝から昼までほぼ
4時間強のミニトレッキングをしたときの風景を描いたものだ。
殆ど尾根伝いの山道で高低差は少なく、ポカポカ歩きができてとても気持ちの良い
コースだった。道を間違えんよう聞きながら歩くのがそれなりに地元の人との
コミュニケーションになっているようでそういう楽しみもあってとても記憶に
残る旅だった。
この旅の直後に大震災があって、その後どうなったのかとても心配だ。特に
煉瓦造りが美しいチャングナラヤンの寺院群は壊滅的な被害を受けたと聞くんで
心が痛む。
機会があれば又是非行きたいところなのだ。
楽しい旅を記憶に残したくこういう絵を描いたみたのだ。
こうやってみると巻物も面白い。
いろんな表装の技法を楽しんでみたい。
次は屏風かな?
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ありがとうございました。