映画、「うさぎ追いし、山極勝三郎物語り」を見た

とても良かった。心にじわっと沁みる映画であった。
大阪、梅田、テアトルで本日最終日。
いくらブログで良かったとか感動したとか抜かしても見に行かれへんやんかと、お叱り
を受けるかもしれん。わしも早く行きたかったんやけど諸般の事情で時間が取れ
へんかった。もし、行かれる方が居られたら是非近県で上映される機会を見つけて
ご覧になられたいと思います。とても良い映画だと思います。

日本の激動の時代、明治維新の頃に信州上田に生まれた勝三郎は廃藩置県の騒ぎ
の中、勉学の地を求めて故郷から野を越え山を越えて東京に出る。元御殿医だった
山極氏の婿養子となり、その跡を継ぐべく東京帝国大学医学部に進む。
常に主席の成績を残す彼はいつか医者の道よりは臨床医学の道に心惹かれるように
なっていく。そして恩師の称える癌は外部の刺激の積み重ねによって発生
するという学説を実験によって証明しようと思い始めたのだ。
そして、山極とその弟子市川の苦闘が始まる。
何時報われるやらさっぱり先が見えへん、周りからは変わり者や、狂ったんとちゃう
やろかとさえ思われかねんほどであっても2人は挫けることはない。
妻も子も顧みいへんからまわりは大変だ。

eiga170121

話はころっと変わるけど、はるか昔、わしが就職したばかりの頃、一応技術屋
さんの職場やったんやけど偶々朝早く会社に来ると実験机(そのころ会社には
まだ大きな木のそういうテーブルがあった)の上に寝てたと思える人がむっくり
起き上がってやおら顔をあらって仕事にかかる準備をしはじめるというような
人がいた。びっくりして先輩に聞くと、仕事に熱中するあまり家に帰らはらへん
日もあるらしいということやった。もうすでにそのころはごく普通のサラリーマン然
とした人達ばっかりの職場でそんな豪傑がいたのにも驚いたし、そういう人が
いてもはじき出されへんような組織の風土みたいなもんも感じられて驚きもしたし
ええなあとも思った。その人の真似をしたわけではないけどわしかっていろいろ
好き勝手をやらしてもらったような記憶もある。
何を言いたいかと言うと、今の厳しい経済環境のなかで職場も仕事の仕方も随分
変わってきた。ある意味そうせざるを得ないある種の進化形であったんやとしても
その間に大事な物を無くしつつきたんではないかと思ったりするのだ。
別に昔は良かったとノスタルジックな話をするつもりではない。
それと大事な物を無くしてきたという話は別のものだ。
周りと少々周波数が違う考え方を持ったり暮らしぶりをする人がいたとしても、
もしかしたら何かやりそうやで、おもろいかもしれんやんかとその存在が受け入れ
られる風土は今よりは大きかったんちゃうやろかと思う。そしてそういう風土の
中で成果を生み出せた人も沢山いたんやと思う。そういう人達は、バランスシートを
上手く操ることはできへんでも、他にないもんをこそ生みだしたんとちゃうやろか。
今は、「コンビニ人間」で描かれた世界のように、周りの平均値と大きくずれる
ような人がいたら段々と居づらくなるような世の中になりつつあるんとちゃうやろか?
今では、沢山の日本人がもらえるようになってきたノーベル賞も過去の成果の遺産に
すぎないということになったら、わしらの国はほんまにあぶないんとちゃうやろか?
映画の見ながらそんな風に思った。
美しい風景も、人の心も、その中にある大事なもんを無くしつつあるようなことが
ないよう祈りたい。

さて、山極と市川の苦闘は実る日がくるのか?
山極の肺の病はどうなるのか?
懐かしい大正、昭和がよみがえってくる。
是非、劇場でご覧あれ。

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ありがとうございました。