アン・パチェット、「密林の夢」
熱帯雨林の中、うだるような暑さのなかでうごめく熱気と狂気、体も精神も
疲れ果ててしまいそうな日々、次々と事件は起こる。
マリーナ・シンは製薬会社ヴォーゲル社の研究員だ。そして社長のフォックスとの
不倫関係もざらざらしそうになっている。そんなある日、アマゾンの奥地に派遣
されていた同僚のアンダースが死んだと言う連絡が入った。
知らせたのはその地で研究をしているスウェンソン博士。
しかし、何故? 何かがおかしいのではないか? 本当に死んだのか?
スウェンソン博士に依頼している新薬の開発はどうなるのか?
フォックス社長の命令でマリーナが状況を探りに行くことになる。
待ち受けているのは妖しいカップル。
何時まで経ってもスウェンソン博士のところにたどり着けない。
アマゾンを奥へ奥へと遡る。
密林の奥になにがあるのか?
本当に老女になっても妊娠できるのか?
秘密の食べ物があるのか?
危険な種族のなかで彼らは生き延びることができるのか?
アンダースの死の真相は見つかるのか?
そして驚愕の事実が。
秘境感満載のドキドキハラハラがとても面白い。
村田沙耶香、「コンビニ人間」
何やこの本ってまず思う。こころがざわざわしながらそれでもやめずに読んでしまう。
古倉はコンビニのバイト店員だ。彼女は普通の人と普通の暮らしができないようなのだ。
それでひたすらコンビニで毎日毎日マニュアル通りに仕事を一から十まできちんと
こなして普通の暮らしをしてる振りをしているようなのだ。しかし、そんな暮らしも
長く続くと外からはだんだんと不自然に見えるかもしれないようになってきた。
そんな頃、白羽が現れた。
相当エキセントリックな人間のようだ。古倉にストーカー紛いのことをしかけて
くるけどそれもいいかと思ってしまう。恋人みたいなのがいないよりはいたほうが
世間を渡りやすいかもしれない。
この人らが狂っているのか、わしらがおかしいのか?
普通の暮らしがはらんでる不条理が疎ましいのか?
異様なようで普通のようで、めくるめくような違和感が続く。
振りをしなければ世の中から粛正されてしまう?
心の奥底に隠れたいやなものを見つけられたような見さされたような、けったいな
気持ちで、やめられずに全部よんでしまった。
こんな本を書けるって凄い人やなあって思う。
不思議な本だ。
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ありがとうございました。