ミャンマー紀行、祈りと優しさに出会う旅-49、夜市(BBQ通)で伊勢海老を食う

ヤンゴン、チャイナタウンの夜市、いわゆるBBQストリートの賑わいに間に合った。
この雑踏と喧騒感が大好きだ。

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いろんな人たちが来ている。欧米人の観光客らしい人たちも多いけど、アジア
の人たちも多い。それに地元の人たちも多いようだ。女性は顔にタナカって言う
木の粉を日焼け止めに塗ってるし、男性はロンジーっていう巻きスカートを着けて
いる。子供連れのお母さんもいてる。こういうゆるくてカオスな感じがとても良い。
キョロキョロしつつも足取りはしっかりと前に見ておいた伊勢海老の店を目指す。
「あった」、「ここや」

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確かに伊勢海老がある。他にもいっぱい美味しそうな魚介がならんでいる。

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こんなにあると目移りがしてしょうないけど初志貫徹であくまでも伊勢海老を
目指す。値段を聞くと意外と安い。こないだ聞いた時は1匹4500円程度やった。
それでも安いと思ったけど今聞いたら2000円程度だ。そんなら1人1匹で行ける
やんか。ついでに鯛とイカを焼いてもらおう。
ちょっと多いかもしれんけどミャンマー最後の夜やんか豪勢に行こう。
では、ビールを飲みながら待っていよう。
この大通りにある屋台は、店舗を持ってないんで、ビールなんかは置いてない
けど普通に頼んだらうんって言うてどっからか持ってくる。どっかの店と提携
してるんやろなあ。
ちょっと落ち着いて周りを見渡すと、近くの席が何かおかしい。
客と店員がもめてるみたい。夫婦と子供1人の3人家族、食べ終わって勘定を
する段階で何か意に沿わないことがあったらしい。乱暴ではないけど、引き下
がることなくながながと何か言い続けてる。そのうち女主人らしき人が来た。
それでも決着がつかへん。
わしらは何の関係もないけどちょっと気になる。伊勢海老はどんなんかな?
ちょっと見に行こう。

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おお、順調に焼けてるやんか。
あっちはどうかな、延々と決着がつかへんみたいだ。そのうち、携帯で喋り出した。
どうも電話の向こうにえらいさんがいてはるらしい。クレーマーはしきりに
恐縮してる。立ったり座ったりして話してる。しかし、簡単には終わらない。
気にはなるけど関係ないし、言葉が全くわからへん。ロンジー履いてはるから
地元の人ではあるらしい。
そわそわしてたら鯛が先に来た。

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美味しい。一番最初に食べた香草入りほどではないけど新鮮で大きくて旨い。
揉め事も終わったみたいやし、伊勢海老が待たれる。
さっきから赤子を連れた若い母親が何度もやってくる。お金が欲しいと言うの
は言葉がわからんでもようわかる。しかし、こんな時どうしたらええんか未だに
ようわからん。見すぼらしい振りだけして実はプロの乞食だったり、組織に操
られてる人たちだったり、疑えばきりがない。もじもじしてるうちにきっかけを
失って、やっぱりあげとけばよかったって後で後悔したりする。もちろん、その
逆もある。今回もためらっているうちに友人があげた。
いろいろ考えはあると思うけどそれでよかったと思う。わしもあげたらよかった。
うじうじしてるうちに伊勢海老がやってきた。

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これはすごい。どうしょう? どこから食べよう。
とにかく手づかみでバリバリ食って行こう。豪快に食うのが醍醐味だ。アジアン
風味の酸っぱ辛いタレはあるけどタレなしで十分おいしい。というかタレが無い
方がおいしい。こんなに乱暴にむしゃむしゃと伊勢海老を食ったのは初めてだ。
口の中に滋味が広がる。ええなあ。間に合ってよかった。
もうお腹パンパンでふぅっとため息がでそうになってると言うのに、次の皿が
運ばれてきた。そういえばイカも頼んでた。

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もう食えんほどやけどもったないんで食おう。
もちもちして美味しい。元のイカの姿も大きかったんで当然なんやけど、えらい
大振りでたくさんある。これはアジアンなタレにちょうどあう。ぴりっとくる
唐辛子の味わいがとてもいい。
ヤンゴン最後の夜は大満足であった。

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ありがとうございました。