バス停の怪人

時々バスに乗る。大抵はウォーキングを兼ねて25分くらい歩いて地下鉄に乗る
んやけど天気が悪かったり、荷物が多かったりするときは時間を合わせてバス
に乗る事があるのだ。しかし、そんな時に限ってバスは遅い。わざと意地悪し
てるんちゃうやろかと思ったりする。業を煮やして雨の中を歩いて行くと、到
着ちょっと前にバスが追い越して行く。むかつく瞬間だ。
かといってどうせバスは遅いからなんて余裕かましてバス停に行くと、そんな
時に限って時間通りに来たんが見える。バス停は向かい側信号が赤信号、イラ
イラしながら待ってる間にバスが出て行ったときもある。
バスを待つ気持ちは皆同じ、1人であってもつい愚痴がでる。それが他の人や
ったらつい相槌をうってしまってけど話題は続かへん。バスのこと、天気の事、
そんな感じだ。
ところがこの日、バス停でふと横をむいたら白鷺がこっちをむいている。いや
白鷺というよりは灰色鷺やけど。

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「やあ、こんちわ」って声をかけてきそうな気安さだ。物問いたげな顔が面白
い。近付いて行くと2、3歩後退りはするけど、逃げて行く事はない。あっち
から若いお姉さんが来たらそっちにご挨拶にいく。案外女好きかも知れんなあ。
子供たちも気がついた。
愛想よく触りに行くけど、上手く距離をとって、笑ってる。
大人やなあ。
白鷺は、この界隈で、前から、時々見る事があった。多くは屋根の上にいた。
いつも一人だ。孤独なやつかも知れん。
皆さん携帯で写真をとって盛り上がっている。

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後で、通りかかるたびにみてたら、どうやら彼はここに常駐してるようだ。
誰か餌付してしまったんやろか。
バス停周りが和んでいるうちにとうとうバスが来た。こんな時はもっと遅くて
もええんやけど意外と早いなあ。バスに乗ってしまえば、 皆さん、其々
バラバラだ。今までの和みは一瞬で消えたけど、それはそれでいいのだ。
最近は色んなところで自動化されて人がいない。駅でもそうやし、 お店でも
店員の数が極端に少ない。そうする事で低コストを維持するのも大事な事
やけど、コミュニケーションが全く無いのも寂しい限りだ。何か聞こうにも
機械は答えてくれへん。社会が貧相になっていくばかりではないのか。
いっそ、愛想のええ、動物さんでも置いたらどうやろう。
猫の駅長さんだけやなくて、白鷺のチケット係さんや、犬の販売員さん、
ブタのウエイトレスさんなんて居てたらいとおかしいのではなかろうか。
「何か頂戴って」言うたら、「メェー」って答えたりして。

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ありがとうございました。