先頭を走るまま、因島大橋に上る。ここまではしんどかったけど、橋の上は気
持ちが良い。屋根があるから快適だ。ご機嫌で走ってたら、携帯電話が鳴って
いる。そのまま取り出して喋ろうって横着で危険な事を考えた。しかし、前に
人がいる。クロスバイクの姿勢は不安定だ。携帯電話を持ったままブレーキを
かけたらこけそうになった。というかおっとっとっとという姿勢のままゆるく
こけた。恥ずかしさをかくしながら立ち上がって停まったまま電話を続ける。
一番後ろを走る友人から「いまどこ?」というだけの話だ。しかし、ここまで
ゆっくり上って来たし、橋の上でもバタバタしてたのに、さっきまで一緒にい
た友人がまだ来ない。「おかしいなあ」と言いつつ、思いつつ、でも一本道で
間違うこともないしと思いながら先へ行く。
しまなみ海道ではサイクリングの道は、端っこに太いブルーのラインを描いて
いる。よほどのことがないかぎり見落とすことはない。見えなくなったと思っ
たらラインのあるところまで戻ればいいのだ。そやからラインだけを見ながら
ひたすらはしる。最後の向島の道路は今迄の事を考えるとすばらしく楽だ。
しかし、一緒に走ってた彼はなんで来いへんのやろ?
ここまで来ると、ひたすら殆ど下の方ばっかり見て走る。
ブルーラインを外さんよう気をつけるためだ。
やっとフェリーの船着き場が見えて来た。
何か微妙に違うような気もするけど来た時はさっと出て行ったんでようわからん。
さすがに疲れがどっと出る。
フェリー待ちのベンチへ座り込む。
フェリーは20分に1本くらいのペースで往復してるみたいだ。次々にやって
くる。乗る人はパラパラとやってきて船に乗って向こう岸に向かって行く。
それでも友人は来ない。あいにく彼は携帯電話を持ってない。
何かあったかと心配になってきた。その後から来る友人達に電話してみた。
彼らはゆっくり来てるんでまだ2時間近くはかかりそう。このまま向こうに渡
ってしまうわけにもいかんし困ったなあ。
勝手にどっかに行く人と違うし、体調を崩すようなやわい人でもないしそんな
様子もなかった。
ぼおっと座ってると、
「フェリーの出発時間わかりますか?」
「ここで待ってたらいいんですか?」
色々聞いてきはる。
「どうしたん?」、フェリーの係員も気になるようだ。
「ちょっと友達を待ってるもんで・・」と時計をみるふりをする。
落ちつかへん。ええい、寝て待とう。ベンチに寝転がるけど寝れるわけがない。
荷物をちょっとでも軽くするために本は持って来なんだ。
暇やからうろうろする。
向かいは尾道だ。
幸いWiFiルータとiPadは持ってきたんでお猿になっていよう。
時間はどんどん過ぎていく。彼は来ない。一人で心配するのは辛い。
後から来る友人達は当然道中を見ながら来るけど居てへんと言う電話だ。
長いこと待ってやっと後続の友人達と合流した。
彼は来ない。自転車を返す時間も迫ってる。仕方ない一旦向こうへ渡ろう。
船に乗ったら20分ほどで向こうに着く。
勿論向こうにもいてへん。急いで自転車屋さんに行く。
途中でもう一つフェリー乗り場が見えた。
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自転車屋さんに急ごう。
????
彼がおるではないか。
「えらい遅かったなあ。先シャワー浴びて待ってたわ」
いや。よかった。よかった。結局わしの勘違いだった。フェリー乗り場が二
つあったのだった。ブルーラインをよく見てたはずやけど、二つにわかれた
ところがあったらしい。それで、フェリー乗り場に着いたときに違和感があ
ったのだった。結果は簡単な勘違いで問題なしだ。
では、晩飯でも食いながら無事終了の乾杯をしよう。
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ありがとうございました。