貴州の旅ー30

改装なった国士監へ
タクシーはすぐ見つかった。
誰かが乗って来た帰り車だ。しかし、駐車禁止場所なので本当は乗れない。それでも
あせっているから強引に乗り込んでしまった。
帰りは簡単だった。来る時の渋滞は嘘のようだ。
30分強で北京の中心部に帰ってしまった。
「まだ時間あるなあ。どっか行こか」
「今からやと近場しか行かれへんから、国士監でも行ってみよか」
前に国士監に行った時は工事中だったので殆ど中は見ていない。改装されてどうなったか
興味がある。
北京の中心からやや北東、雍和宮大街の大通りまで来て、雍和宮の向かい側で車は
止まった。この通りはいつ来ても雍和宮に参る人達でごったがえしている。
降りた正面の路地を西に真っ直ぐ入って行くと右側に国士監がある。
隣が孔子廟だ。国士監と孔子廟は対になっている。要するに学問の府と学問の神様が
対になっているということで不思議でもなんでもない。
入って驚いた。
「前来た時と全然ちゃうやん」
建物が新しくなっているだけではない。新たにいろいろな展示室ができているのだ。
中国の歴史の中で、国士監が果たしてきた役割や、科挙の試験の様子などが詳しくわかる
ように膨大な資料が展示されている。
「こんなんどこにあったんやろう」
「やっぱり何でも限りなく膨大にあるんが中国やなあ」と感心した。

「白ポンやで」、「・・・・・」
「発もポンや」、「ほんまかいなあ・・」
「中もポンやで」、「エッ、それ大三元やんか」
「おまえ積み込みしたやろ」、
「そんなんせえへんで」、「運がよかっただけや」
「嘘つけ、そんなんありえへんわ」
麻雀で大三元という役があった。めったにできるものではないが、綺麗な役だった。
科挙の試験では、地方試験である郷試の主席を解元、その上の会試の主席が会元、
最後に首都での最終試験である殿試の主席を状元と呼ぶが、その全てを取った人を
大三元と呼ぶのだそうだ。要するにグランドスラムという事だ。
そんな事を全く知らなくても麻雀はできるので関係はなかったが、まあそんなものだ。
それで、ここでは合格者の表彰があって、状元は一番えらいので控室まであるということだ。

それより、この界隈は骨董屋が一杯あって、ちょっとおしゃれな骨董屋があるというのを
来る時の機内誌で見ていたので、楽しみに目で探しながら歩いたが、雍和宮の客狙いの仏具
骨董ばかりで見つけられなかった。又、次の楽しみにしよう。