列車で蘇州駅へ
さて、一夜明けて、上海駅に向かう。
こころなしか人は少ない。春節も終わり頃だから、上海は出る人よりも入る人が多いのだろう。
だから勿論、行きは座席はあるが、帰りは座席が取れずに立ち席で帰らないといけない。
それでも乗れるだけ良い方だと言う事だ。行きのチケットをよくみると1等と書いてある。
「ラッキー」だ待合室も良い方を使える。さすがにガラガラだ。
それにしてもちょっと腹が減った。売店くらいはないかと目で探すが、待合室に入ってしまったら
何もない。軟座の待合室でも何もないんかいなとよくよく見渡してみたら、2階に喫茶店の
ような表示がしてある。それで登ってみたら確かにあるが、従業員だけで客は一人もいない。
「何か食べるものある?」と聞くと、「セットメニューだけ」という。こういうところの麺も
粥もおいしかったためしはないからサンドイッチにした。コーヒを飲んでいると、出発20分
前の放送があった。ゲートが開いてホームに降りれるのだ。
「和諧号」、動車と言われる列車で日本の東北新幹線に酷似している。かものはし形だ。
始発駅だから既に列車は待機している。チケットの座席番号を確かめながら中に入る。
2等車だったら、車内は日本の新幹線と殆ど全く一緒だが、1等車はグリーン車とは全く違う。
2等車を少しだけゆったりしただけの感じだ。だからチケット代も少し高いだけだ。
何席かおきに向かい合わせのシートになっていて、テーブルもあって使い勝手がいいが、
その場所を指定して買うのはほぼ無理のようだ。今回も、欧米人の4人連れが、席は連番の
はずなのに場所はばらばらに座っている。私の隣は中年の中国人女性だ。発車の時間がきても
(ちなみに発車のベルはならない。いきなり静かに動き出すのだ)ずっと電話をしている。
なんだかんだと言っても列車は満員になってしまった。立ち席の乗客がいないだけだ。
今日は実に天気がよくて気持ちがいい。列車は高速で快調に走っている。
景色はとりたてて珍しいものはなくて普通の郊外の景色のように思える。それでも列車に
のったら旅の気分になってつい外をじっと眺めてしまうものだ。
蘇州は車で行った時はそれなりに遠いなと感じたが、列車だと40分弱で、二つほど駅に
とまったら直ぐに着いてしまった。
丁度降りようとする頃、老師から電話が入って、「駅の出口で待ってるよ」と言う事だ。
降りてみて驚いた。「どうしてこんなに客が乗ってたんや」
列車は10分おきくらいにひっきりなしにある。しかも蘇州は南京まで行く途中駅だ。
それでもこんだけ降りるんやから、いつもいつもえらい沢山の人が移動していることになる。
このパワーが中国なんやろね。
出口でやかましく立ち売りしているおばちゃんから、5元で蘇州観光地図を買った。