ぼてっとしてしまった体で再び車に乗り込む。しばらく走ると、車を降りろと
言う。何すんやろと思ってたら、ヘルメットを持ってきた。車道の横に遊歩道
が見えている。このまま遊歩道をずっと歩いて行ったら行った先で待ってるか
らと言う。ヘルメットかぶったからには行かんとしゃあない。
このあたりを燕子口と言うらしい。燕がぴゅんぴゅん飛ぶんやろか？
断崖絶壁が続いて、さすがに面白い風景だ。わしらと同じようにヘルメットを
かぶって歩いてる人が多い。個人で来た人たちもヘルメット着用が義務付けら
れてるようだ。歩いたり、自転車で動いている人は欧米系の人が多いようだ。
中国人みたいな人たちや台湾人みたいな人たちはバスの団体が多いけどあんま
り長距離を歩いてるのは見かけない。気のせいかな？
そらは晴れてるとは言い難い。時々ぽつっとくるけど雨というわけでもない。
ぐずぐずと持ちそうだ。
断崖の中の遊歩道は洞窟を出たり入ったり、出る度に谷の様子が変わってその
変化が面白い。
川ははるか下にある。
こんだけのややこしいとこに道作るの大変やったやろなあと思う。
トンネルを出て、見上げたら頭上遥かに霧がかかってええ感じになっている。
こんな山の上にも人が住んでいたらしい。
今はもう町に移動した人が多いらしいけど、日本統治時代には、こういう山の
上にも郵便局や学校を作っていたのだそうだ。
映画、「セデック・パレ」で見たような精悍で誇り高い男や女達が山の中を飛
ぶように動き回っていたんやろか。
かっこよかったやろなあ。今は昔になってしまった。
途中に九曲洞と言うのがあったけど、修復中で通行禁止になっていた。ここも
大事な観光スポットみたいなんで残念やけどしょうがない。
そこは車でパスして続きを歩く。
と言うても景色は似たようなものだ。すごいのはすごいんやけどちと飽いてくる。
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ありがとうございました。
