三千院を出たら、近くにはまだまだ有名な観光スポットのお寺が沢山あるんや
けど、今回は時間もあんまりないし、沢山回るんが目的やないんで、これくら
いにしといて寂光院へ行こう。一旦バス停まで戻る。
実は寂光院へは昔来たことがある。もう何十年も前の高校生の頃だ。友人と二人
あんまり覚えてへんけど田舎から京都まで出てきて、わけわからんうちにバス
に乗ってここまで来たらしい。田舎道をとぼとぼ歩いて、着いたら、えらい
階段があったなあってくらいは覚えてる。
おっちらおっちら階段を上がっていって門の前から中を覗きこんで、
「入っても何もあらへんのちゃうか?」
「入っても無駄やなあ」
「そやけど折角来たのになあ」
「どないしょう」
平家物語は好きやったから興味はあるんやけど、小さな尼寺やった。入場券を
買うのにためらって男二人、門の前でうぢうぢしてたら、門の中から尼さんが
出てきて、わしらを金のない学生やと憐れんだんやろ、唯で入れて呉れようと
した。
事のなりゆきに驚いて、「いや、ええです」と慌てて断って、逃げるようにし
て帰ったような気がする。多分。
そっから何十年も経ってしもた。その間に大きな火事があって全焼してしまった
のだ。今となってはその時入ってじっくり見ておいたらよかったと悔やまれる。
こっちは建礼門院さんのお墓のある方の石段だ。
寂光院はこっち。
写真を撮ってる人が多いけど、わしはスケッチをさしてもらおう。
門まできてやっぱり躊躇った。
考えることは昔と変わってへん。小さなお庭があるだけやんか。こっから見ても
変わらへんやんか。
本堂にも雪が少し。
今は尼さんはいてはらへんのやろか。
この紐持って拝んだら、願いがかなうんやでって番してるおばちゃんが言うて
くれたけど、わしは不信心もんやさかいなあ。
こんな景色はうっすら覚えてるような気がするなあ。
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ありがとうございました。