東北、奥の細道の旅-04 日本三景松島の美観

松島と言えば、「西行戻りの松」と言う話を聞いたことがある。確か魯迅の本
を読んでたとき出てきたような記憶がある。無理をしていったが確かに綺麗だ
ったと言うような話やったかどうかそのへんはどっかへ消えてしまった。それ
以外にも絶景ポイントがいくつかあって、有名なのは四大観というのだそうだ。
扇谷の「幽観」、多聞山の「偉観」、富山の「麗観」、大高森の「壮観」の四
つというのは後で調べてわかった。この時はそれはまだわからんけど、折角や
から絶景ポイントに行こうということで案内してもらったのが双観山と言う所
だった。このすぐ上が扇谷というらしいからここも「幽観」の一つやと思って
おこう。

先ほどから雪が舞ってきた。寒いけど空気が冷えると景色が美しくなるような
気がする。足元から緑の松の木林が力強くもりあがってきていて存在感を見せ
ているその先の眼下に松島湾が波しずかに広がっていて、その地平線を覆い尽
くさんばかりに小さな島々が点々と碁石を並べたように前に後ろに右に左にと
配されている。その点々を視界の両側からせり出した細い嘴のような半島が締
めくくっているようなのだ。
どのような自然の妙がこう言う景色を創りだしたのだろうか。

そしてあの大震災の時に押し寄せた津波からこの土地を守ったものでもあった
のだ。


より大きな地図で 双観山 を表示

さて、日が暮れかけて来た。先を急ごう。
次は松島湾をぐるっと回って大高森というところに行くのだ四大観の「壮観」
と言うところ。車は街中から田園にでて海岸べりを走っている。
道がわかりにくい。うすぐらくなりつつあるし、地の利もないし運転してるわ
けではないが外をみてると何となく混乱する。つまり建物や景色の切り替えし
みたいなのが殆ど見当たらないようなのだ。これも津波の傷跡なんやろうなあ。

駐車場から小高い丘のようなところに登る。最初はあそこをちょろっと登った
ら展望台なんやろなんて簡単に考えていたら以外に先が長い。それに道が雪で
凍っているところがところどころある。お堂を過ぎたら右に曲がってそこから
急な登りだ。帰りは暗くて分かりにくいやろからこの曲がり角をしっかり覚え
とかんとあかん。はーはーぜいぜいよたよたと大高森の頂上に到着した。
絶景が待っていた。

日が暮れかける松島湾が眼下にある。
細く長く突き出した半島に抱かれるように小さな島々がシルエットになって浮
かんでいる。
松島の景観はよく中国の洞庭湖を描いた瀟湘八景や西湖の風景になぞらえられ
る。そういう風に描かれているがそれは未だ見ぬ異国への憧れが描かせたもの
なんでかなり俗化した今の洞庭湖や西湖を見たらきっと松島の方が綺麗やんと
言う事になるのかもしれん。
帰り道は殆ど真っ暗。月明かりに光る雪の道がもの恐ろしげだ。


より大きな地図で 大高森 を表示

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