ほろ酔い加減、良い気分でホテルに帰った。部屋は2階だ。部屋の前が通路に
なっていてそれがベランダ風に使えるように石のテーブルが各部屋分置いてあ
る。隣の部屋の前まで来ると、その部屋の住人が短パンに毛むくじゃらの上半
身裸のすがたで何やらパソコンをいじっていた。
歳かっこうはわしと似た様なもんであろう。
こっちはご機嫌やから気軽に声をかける。
「こんばんは」
それで、おきまりのどっから来たんやとか何時までいるんやとかあたりさわり
のないことを適当に喋り始めたら、そのおぢさんはえらい話好きのようなのだ。
どんどん喋ってくる。
オーストラリア国籍で今はタイのチェンマイに住んでいて、人種で言えば、ト
ルコ人なんだそうだ。名前もなるほどトルコっぽい。
結局、「まあそこへ座れや」と言うので腰を落ち着けると、
「たばこはどや?」と火をつけてくれる。
きさくやけどいかにも妖しいおっちゃんなのだ。
「わしは日本から来たんや」と言うと、「日本の女性はええわ」と思い出し顔に
なって、日本に行った時、日本人の女性が気に入って一緒になろうと随分努力
したんやと言う話になった。いろいろあったけど結局言葉の問題でうまいこと
いかんかったようだ。
それで、やっぱり今は、「タイの女性がええわ」、「特にチェンマイがええ」
と話がはずんできた。綺麗やし、優しいし、英語しゃべるしと言うことないの
だそうだ。
「一緒に住んでんの?」と聞くと、うれしそうに、「そやねん。家持ってんね
ん」と言う話だ。
「そいで、何でこんなとこ来てんの?」と聞いたがよう伝わらん。
「女性の父親が交通事故で亡くなって、今度は女性の母親が何かで怪我をして
入院したから女性が看護に行っている」とかなんとか結構重い話になっていっ
たけど、本人はあんまり屈託がなさそうだ。
ほんで今度はラオスの女性の話に入っていった。ラオスの女性はあかんのだそ
うだ。何であかんのか、あるいはナイトマーケットにいたお兄さんについて行
ったらどうなるか、いろいろ話してくれたが私の語学力ではわかったような、
わからんような。何やら毒気に当てられて疲れてきたからもう寝よう。
実は翌朝もこのおっちゃんに会って、今度はコーヒーをいただきながら、だら
だらと聞いた話と混ざって、ごっちゃになっているがまあそんな事はどうでも
いいことなのだ。
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ありがとうございました。