辰砂の碗

先日、南京博物院で陶磁器を見ていた時の事だ。
多分、鈞窯のモノだと思う辰砂釉の碗があった。さすが日本で言えば国宝級の
もの品が違うなあと思い見ていた。
鈞窯と言えば、以前洛陽の龍門石窟を見に行った時に、鄭州が最寄りの空港だった
少し時間があったので、有名な河南省博物館に行った。
その時に宋や元の時代の青磁が沢山あって溜息がでたが、鈞窯の焼き物も沢山あった。
この地で焼かれたものだ。それでこの道中で、今出来のものでいいから、ちょっと
いいのがないかと楽しみにしていたがあいにくなくて残念だった。
やはりついでというのはあまい話で本当に欲しいのならきちんとその為の時間を
割かないといけない。

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それで、そういえば、5月の連休に有田の陶器市に行った時に辰砂釉の碗を買った事を
思い出した。
高価なものではないが、私としてはとても気に入っている。
特に裏の模様と色合いはなかなかいい味ではないか。

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それで又思いだした。
大連で鈞窯の碗を買ってきてあるのだ。
大連の駅前地下デパートには何でもある。
日用品からお茶、書画、骨董、お土産、ないものはないだろう。どこをどう行ったら
どこに出るかもよくわからないつぎはぎだらけの地下道のなかにびっしりと店舗が
ならんでいるのだ。
その時ある人の紹介で陶磁器の店に連れて行ってもらった。
日曜雑器が中心であまり面白くないなと思ったが、ちょっと気になる碗が目についた。
買ってきてよくみるとなかなか面白い。
それで、水墨画を描く時の筆洗いに使う事にした。
もう2年くらいかな、毎日のように使っているとなかなか味が出てきたではないか。

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毎週月曜はこだわりのモノの話です。