ジャック・アタリ、「21世紀の歴史」
年のせいか、理論の本とか理屈をこねた本は読むのがめんどうくさい。
特に分厚い本は苦手だ。
それでこういう本に手を出すことはめったにないのだが、ある人に勧められて
読んでみた。
なかなか新鮮であった。正しいかどうか。それはわからないが理解できて
納得できる。
こういう風な見方で来し方行く末を考えてみるのも優れた考察のなせる技なのかも
知れない。
世界の歴史は、市場と言う見方からすると、世界の中心都市が形成されて、そこを中心に
発展してきた。それが、このように移り変わってきたのだ。
ブルージュ、ヴェネチア、アントワープ、ジェノヴァ、アムステルダム、ロンドン、ボストン
ニューヨーク、ロスアンゼルス。さて次はどこだろう。
可能性は見えているが確定はしていない。
その世界の中心都市になる条件は、背後に広大な市場があって、世界中との交易の為の
大きな港がある。そしてたえず新しい事を企画できるクリエータ達がいて、その人たち
が活動できるために世界中から人材を受け入れる必要がある。
生活の場と教育の場が必要だ。そして管理者を育てる仕組みが必要だ。
そして、これからどうなる。
確かに、今回のの金融破綻の過程で、リスクまでが商品化される事がよくわかった。
これからは公共のどんなサービスですら商品化されるであろう。
警察はおろか軍事さえ。
そして全ての人の呼吸の仕方すら保険会社のリスク管理の対象になるかもしれない。
そして、
アメリカ帝国の終焉、帝国を超える超帝国、戦争・紛争をこえる超紛争の発生。
その後に夢がある。
民主主義を超える超民主主義の出現。
だそうだ。
毎週火曜は最近夢中で読んだ本の話です。