結構硬く凍った峠道を少し登ると駐車場が見えた。
「あそこか」
ちょっと恐ろしい予感がする。その向こうは深い深い雪だらけだ。
「ここで2時間半もおれるやろか?」、しかし、それまでバスはないのだ。
「しゃあない、ゆっくり、ゆっくりまわろうや」
「あそこは棚田みたいやな。春に来たらきれいやろなあ」
「それにしてもえらい雪まみれやなあ」
神社がある。とりあえず画業上達を祈願してお参りしよう。ゆっくりゆっくり。
「わんわん」
あんまり人の気配がしいへん村で、エディ君だけが元気に迎えてくれた。
「こんちわ。かまんといてな」
もうちょっと行くと、もう集落の真ん中あたり。土産物屋が開いている。
中を見ると食堂でもあるらしい。
「最後はここでねばるしかないなあ」、その時はわりと早く来そうな予感がする。
白川郷の案内書で貰った地図をたよりにぶらぶらしようとするが、どこへ行っても
すぐ行き止まりだ。
「この先に何か資料館みたいなのがあるはずやで」
「そんなん行かれへんわ。閉まってるし」
「こっちはどや」、
「トイレみたいやで」、「ちょうどええわ」
もう行くとこがなくなってきた。
「あっちはどや」ちょっとだけ人の気配がする。
「こんにちは」、「あんたらどっから来たの?」、「大阪と京都です」
「えらい遠くから来てくれたんやね。ごくろうさんです」
よかったちょっとだけコミュニケーションできた。
雪景色を見に来たんやから、「雪ばっかりや、何もない」と文句を言うても始まらん。
わしらの想像力がにぶいだけなのだ。
ちょっとはスケッチして帰ろう。
それでとうとう最後の手段。
食度に入ってバスの時間までちびちびねばろう。
ブログランキングに参加しています。もしよかったらポチンとお願い致します。
にほんブログ村
ありがとうございました。