神戸元町、「洋食レストラン いちぜん屋」

元町商店街を西に歩く。もうちょっとで元町映画館という信号のところ、信号の向こうには
仏壇の浜屋が見える。その信号の手前一筋眼の路地、これが路地かと思う細い道を右に曲がると
緑の蔦を這わせたような入り口の小さなレストランがある。
食べログを見ていると、撮影禁止、難しいおじさんがいそうな店と予想出来そうな感じなので
緊張しながら入る。
「いらっしゃい」とは言わないが、無言でそんな雰囲気がわかる。
「何にしましょう」とは言わないが、何となく何か言った。
どぎまぎしながら、壁のメニューを見て、目的はオムライスだったが、カツが載ったのが
あったので、「そのまんまやないか」と思いながら、「オムカツライス頼みます」と
言った。「はい」とはいわずに、ただ頷いて準備を始めた。
無口ではあるが偏屈そうでもない。
てきぱきとかちゃっちゃととか言う感じではなくて、しずかに流れるように動いている。
カツを揚げ始めた。
カツが揚がった頃、オムレツの準備を始めた。
ちょっとカウンターが邪魔であまり奥がしっかり見えない。
しかし、動きはしなやかだ。たまごの返しに無駄な動きはない、ジャンと一発うでを振って
おしまいだ。何となくストイックなものを感じた。
ごはんを載せ(えっ、白ご飯やんか)、オムレツをふわっとかける。カツをのせ、レタスを
添える。カツの上からにはドミグラスソースをかける。

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さてどんな味やろ。
まずオムライスの部分を食べる。
「おいしい!!」
卵がにゅるにゅるふわっとしておいしい。適当なねばりととろとろ感とふわふわ感が混ざり
あっているのだ。白ごはんに合う。卵の味が強いから、チキンライスとかでない方がかえって
おいしく感じるのだと思う。
カツもおいしい。皮がサクサク、肉はジューシーだ。ドミグラスソースがちょっと酸味の
利いた複雑な味で卵とカツとご飯を混ぜて食べると実においしい。
ワインを加えた特製やと書いてあったんでこのソースにもこだわってるんやろう。
ちらっと見るとおじさんは普通の顔をしている。
「おいしいわ」って思わず言うと、つられて、にやっと笑った。可愛いね。
「ええとこ見つけた」
元町映画館に行く人にはすぐ近くなのでお薦めだ。
他の料理も食べてみたい。又来よう。

店名 「洋食レストラン いちぜん屋」
ジャンル 洋食
住所 神戸市中央区元町通3-11-15 102
電話 078-391-6848
営業時間 11:30~14:30 17:30~21:30
定休日 第1・3木曜日
メニュー 日本語
言語 日本語(寡黙)

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ありがとうございました。