外国人に日本文化を体験してもらおうというイベントの最後に、「柿狩り、蜜柑狩り」と
いうのがあった。前日はかなりの雨でどうなるやろかと案じていたが、なんとか持ち直した
かもしれないといういうことで出発。
一行は粉河から二つ東にあるJRの駅、「西笠田」に向かう。この駅の小高い丘の上に
柿畑と蜜柑畑があるのだ。なんとなくヤバそうな空模様だ。
1人ひとつずつ鋏をもらって山に上る。
「どれでもええよ。柿でも蜜柑でも」おじさんの自慢の柿や蜜柑が山の斜面一面にたわわに
実っている。
食べる分ならいくらとって食べてもいいのだ。持って買える場合は600円だすと袋をくれて
「入るだけやったらなんぼでもいい」大阪のおっちゃん、おばちゃん向きのルールだ。
さっそく蜜柑を切って食べる。
「甘くておいしい」
柿ももいで皮をむく。これも「おいしい」
ならばと食べながらも一生懸命袋に詰め込む。
「最近は外国人もようけ来るでー、中国人や香港人、台湾人が多いわ」
「そんな時どないすんの?」
「うちの娘が英語できるんや」
ここでもグローバル化は進んでいる。
丘の上からは紀州平野が一望できて気持ちがいい。山が切れた先の遠くは奈良の方だろう。
「この景色ええなあ」って言うてたら、
「あれは妹山、背山かなあ」と言う人がいる。
この辺は万葉の昔から人が行き交った地でいろいろな歌枕になっている。雅な土地柄なのだ。
「「妹背山婦女庭訓」という浄瑠璃があるよ」と丁度この場に来ていた浄瑠璃をやる友人が
教えてくれた。
「古は神代の昔山跡の、国は都の初めにて、妹背の初め山々の、中を渡るる吉野川、
塵も芥も花の山、実に世に遊ぶ歌人の、言の葉草の捨て所」
というような謡で始まるのだ。
舞台は大化の改新の頃だと言う。やっぱり大昔から有名なとこなのだ。
それがちょうど向かい側正面あたりに見える。
二つの大小の小さな山を恋人同士に見立てて名をつけたのだ。
「なるほど」と見ているうちに雨が降ってきた。
のんびりしている暇はなくなった。一気に雨脚が強くなる。
急いで降りて駅まで行かねばならない。
どたばたと傘はあるが結構濡れながら駅に着いてしばらくしたら列車がやってきた。
和歌山遊はこれでおしまい。
楽しかったから又来よう。
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ありがとうございました。