最近読んだ本、「真臘風土記」、「追憶のカシュガル」

  • 2011年11月26日
  • 2人
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周達観、「真臘風土記 アンコール期のカンボジア」
旅行記というよりお上の命令で視察に行った報告書のような内容だがなかなか面白い。
かなり前にカンボジアのアンコールワットに行って強い印象を受けた。
アンコールワットやアンコールトムが建設されたころのクメール文化の繁栄ぶりと
その華麗な建築物の造形に魅せられたのだ。その後、その頃はどういう王朝があって
どういう文明があって、周辺はどうだったといろんな本を興味深く読んだものだった。
しかし、それは後世の研究者が語るものであって時の彼方から当時を推測したものだ。
この本は、丁度アンコールに王朝がある頃、中国の元王朝から派遣されてこの地を
訪れた時のまさにその記録だから同時代話なのだ。
現実感があって面白い。王様の暮らしから役人の暮らし、庶民の暮らし、仕事ぶり、
住む事、着る事、食べる事、様々な見聞が書かれている。
読んでいると、遺跡の彫刻の中にいる人達が蘇ってくるかのようだ。
しかし、こういう壮大な遺跡を造る、造らせる文化があったとしてもそこに刻まれて
いる庶民の暮らしは、刻まれた画のとおりに単純素朴であったというのがよくわかる。
それにしても東南アジアなどに行ってよく思うのは、支配者のそれぞれの時代に育てた
文化があったにせよ、それと連動するかしないか、支配者がやらせたやらせなかった
ということとは別にして庶民、民衆の側の文化が興って庶民、民衆がそれを育んだという
歴史が薄いのではないか感じられることだ。
私の認識が浅すぎるのかもしれない。
それにしてもメコンの旅に行きたくなったなあ。

hon111126-1

島田荘司、「追憶のカシュガル」
色んな土地を巡り歩いて、いろんな人の話を聞いて、忘れてはならない話を聞いて、
それを又別の人に語り告げる語り部になれたらいいなと思う。
なかなかそんな旅ができない。
短い時間で唯名所旧跡を通り過ぎるだけ、その間に過した街角も唯の通行人の眼で
ながめているだけでは心に残るような声は何も聞こえてこない。
これは、そういう心に沁みる物語りを語る語り部がいたという話だ。
ハンディキャップのある人がオリンピックを目指す話。
そう言えば先日世界陸上にハンディキャップのある人がでていた。
ハンディキャップを克服してあるいはハンディキャップを逆に生かして競技に勝てたら
それはなかなか好い事だとおもう。
世の中別な意味で不具な人が沢山いるではないか。
戦時中朝鮮から被支配者として強制的に連れて来られてた人たちの彼岸花に寄せる
特別な思いの話。風船は何を運んだのか。
文明に交差点、西域の都市カシュガルで老人がいた。
普通なら尊敬されるべき人格と年齢の人がなぜか、人々にうとまれ区別されている。
その人の人生に何があったのか?
文明の交差点では、庶民の暮らしは様々な勢力に翻弄されるのだ。
こんなん読んでたら西域の旅に行きたくなった。

hon111126-2

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