杭州雑感ー03、西湖東岸をぷらぷら

杭州中国美術学院というのは、奥州平泉などと共に世界遺産に指定された西湖言う湖の畔にある。
そのすぐそばに宿もあった。本来は寮暮らしになる予定だったのが格別の計らいでホテル暮らしに
なったのだそうだ。勿論寮暮らしも経験しておきたいところだが、無理に断ることはない。
今回は勉強の旅だ。観光する時間は殆どないというものの、せっかく世界遺産の中で寝泊まり
するんやから回りを少し見ておこう。
ということで、着いた夜と翌朝に手近な西湖の東岸をぶらぶらしてまわった。

西湖は柳が美しい。
柳の下を爽やかな風がそっと吹き抜けるような画を描いてみたいものだ。

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夜の岸辺はどこの国でも同じだ。若いカップルが夜遅くまで仲良くしている。
これはこれでなかなかいい。
あちこちの電飾景色はわざとらしくて興醒めだが若い人達にはこれもいいのだろう。

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邪魔をしてはいかんから朝又見にくる。
朝の景色も又いい。緑深い柳の下で、老人達が集まって、太極拳をしたりダンスをしたり
している。
太極拳のゆったりゆっくりしながらも重厚でかつしなやかな動きが爽やかな風を起こして
柳をそよがせているかのようだ。

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「象潟や雨に西施がねぶの花」
と言う芭蕉の有名な句がある。雨に煙る象潟にひっそりとたたずむ花を中国4大美人の
1人と言われた西施の姿に譬えたものだが、この西施に美しさに因んで名づけられたのが
西湖なのだ。西子湖とも言う。
この柳と湖の風情は雨にもよく似合いそうだ。

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杭州(南宋の時の首都)の役人だった蘇東坡にもこんな詩がある、
飮湖上初晴後雨

水光瀲灧晴方好、山色空濛雨亦奇。
欲把西湖比西子、淡粧濃抹總相宜。

「湖上で宴会をしていたら最初は晴れていたが後に雨になった」
という詩だ。その2番目、
水光、瀲灧(れんえん)として、晴れて方(まさ)に 好し。
山色 空濛(くうもう)として、雨も亦た奇なり。
西湖を 把って   西子に 比せんと 欲すれば
淡粧、濃抹、総て相ひ宜し。
:岩波文庫、「蘇東坡詩選」小川環樹、山本和義選訳 より。

あの柳に下の東屋をちょっと右に曲がったら、西施のような美人が立っているかもしれないね。

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この辺りかな?


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