さて、焼損壁画を見終わると次は一気に東院まで急ぐ。
ここには夢殿がある。確か昨年は修理中だったように思うが、もう綺麗になっていた。
夢殿は聖徳太子が暮らしておられた建物だというが、本当に美しい八角堂だ。
「ここでも秘仏が見られる」
階段を上ったすぐのところに、救世観音がおられる。普段は絶対に見られないお姿だ。
しかし、暗い。明るいところから入ってすぐだから余計見難い。
闇を透かしてみると金色の救世観音がぼんやりと見える。ようだ。
用意の良い人はペンライトを持ってきている。カメラはダメだがライトで照らすのは
いいようだ。なんせ通い慣れた人が多そうだ。
案内の坊さんがどんどん先に行くのでゆっくり見られない。
もうずっと先に行ってしまった。
「次は絵伝ですよ」と案内のお嬢さんが教えてくれた。
これも本物は東京国立博物館に行ってしまっている。
さて、夢殿を出たら一気に西院まで戻る。
普段は見れない太子像がある。「あの頭の飾りの所に普賢菩薩がおられるのですよ」
暗くてわからへん。誰かがペンライトで照らしてくれた。
「気をつけて、しかも早く移動して下さい」
案内の僧は無理を言う。
金堂に移動。ここは当然釈迦三尊像だ。引き締まった美しいお姿だ。
様式は前に行った 中国山西省の雲岡石窟の仏像に似ているのかなと思っていたが
やはり全く違うと思う。朝鮮様式の影響が強いのかもしれないと勝手に思った。
走りぬけるようにして宝物殿に行く。ここは百済観音。
なんと美しい。優美でスタイルが良い。ほっそりとした、10頭身くらいに見えるが
数えると8頭身くらいだ。
これで秘仏見学は終わった。暑くて忙しいがすばらしいチャンスだった。
最後は、あの若草伽藍跡に行って、現地説明だ。
日陰もない炎天下、見学者はばてばてだが、老先生は元気一杯だ。
何もない草っ原をあちこち指さして、
「ここからあっちまでは五重塔で、そっちから向こうまでは金堂だ」と
壮大な幻の大伽藍を浮かび上がらせてくれた。
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