奈良遊、法隆寺と時空の旅(夏季大学)ー4

今日は第2日目だ、朝から蝉がザワザワザワとやかましくないている。
朝からかっと照る中で、法隆寺伽藍内に茂る緑が目にしみるようだ。
法隆寺には夏が良く似合うとなぜか思った。
昨日はハードなスケジュールであったが今日は一日室内だから涼しくて楽ができる。

第3講 「奈良美術院」と法隆寺国宝仏修理
美術院国宝修理所 理事長のお話。
明治の始め、岡倉天心ら東京美術学校を辞職後、有力作家が参集して、日本固有の美術を称揚し
育成するために「日本美術院」が創設された。
2部に別れ、第1部が創作専門で後に院展となる。
この流れのなかで水墨画が低く見られるようになったのだとしたら残念なことだというのは
私の個人的な感想だがここでは関係ない。
第2部は修理専門ということで「美術院」と称され、「奈良美術院」と呼ばれている。
技術屋集団だ。
その道のプロが思い入れを熱く語るのを聞くのは大変楽しい。
中心は法隆寺中門の左右におられる仁王の修理の話だ。
実は塑像でできているという。一方は背骨に当たる中心の芯棒が折れて傾いてしまっていたのだ
これをとりだして繋ぐ作業
もう一方もエポキシを使って大修理だ。
日本や西洋の修理は、過去の技法や材料を十分研究したうえで、できるだけ現状を変えないよう
最新の修復作業を行っている。その美術品がその環境と歴史の中で果たしてきた役割を重視する
からだとおもう。
それ自体が当に芸術のようだ。
日本の修復技術はすばらしい。
反対に中国などに旅行すると、過去の技法や材料、資料にのっとっているかもしれないが、
一から新しいのを作ってよしとするようなものに多く出くわす。
一つの考え方かもしれないが、やはりかなりの違和感を感じる。
文化の熟成の違いなのではないだろうか。

第4講 青不動のこころ
青蓮院門跡 門主のお話
すみません。ちょっと寝てました。

昼食は精進弁当だ。

お握り、いなりずし
揚げだし豆腐の卸ポン酢かけ、冬瓜のあんかけ、
千切り大根と南京煮、ワカメサラダ、蓮根金平、
漬物と塩昆布

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なかなかおいしい。

第5講 文書と古文書-文書が古文書になる時
奈良国立博物館長
これも又プロの楽しい話。
古文書とは何か、文書が文書としての効力を失った時、即座に古文書となるのだそうだ。
例として毛利家が徳川家康から貰った、領地所有を約束した文書。
これは文書が生きている間は唯一の証拠物件だから、絶対に古文書にはならない。
明治になって制度が変わったら古文書になる。
登記する役所とかが無い時代、文書のやり取りだけが頼りの時代にどういう風に文書が
扱われていたのか。
手紙が重要な証拠の文書でもあるのだ。

ちょっとお庭を見ながら休憩。

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最後はVR作品、「国宝 聖徳太子絵伝」鑑賞。
東京国立博物館でやっている作品をこちらに持ってきてくれて見せてくれるのだ。
まあしかし、現物を見ないとあかんね。
実感がわかない。

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ありがとうございました。