昨年の夏は友人達と自転車で西の京から斑鳩まで簡単な旅をしたが、道を間違えまくって結果的には
あまりにもハードな旅になってしまった。法隆寺に来たものの見学する元気もなくて帰った。
その後、中国人の知人達を連れて法隆寺に来たときも車で案内しただけで私自身は中に入らなかった。
今回、法隆寺で夏期大学なるものがあると聞いた。
法隆寺にまつわる様々な話を、歴史的な見方から、考古学的な見方から、美術的な見方から色々な話を
聞けるの楽しいだろう。
それに、普段は見れない秘仏や秘宝を解説付きで見れるというからこれはいいと思い、申し込むことに
したのだ。
モノを見るだけでなくて、時空を超えた旅ができるということではないか。
しかも法隆寺なら中国や東南アジアやシルクロードにつながるなにかの想いを見つけるチャンスがある
かもしれない。
8:30の開場にちょっと早いかなと思いながら到着したが、もうすでに講堂には沢山の人々で溢れた
いた。600人は集まるという。5年目、10年目の連続受講の人もかなりいるという。
「すごいなあ」
第1講、大仏様に込められた思い、~一枝の草・一杷りの土~
東大寺別当のお話。
東大寺大仏建立の精神を話して頂いた。
大仏建立を発願した聖武天皇の詔の中に下記のようなくだりがあるという。
・・・
各々おおいなる福を招き、宜しく日毎に盧舎那仏像を三拝し、自ら当に念を存し、各々盧舎那仏像
を造るべし。もし更に人有りて、一枝の草・一杷りの土を持て、像を助け造らむと情に願はば、ほしいまま
に之をゆるせ。・・・・・・・
こういう大きな仏像を造る事業は国が勝手にやるのではなくて、それを願う一人一人の民草が力を合わせて
一枝の草・一杷りの土を持ち寄ることでことを成すべきであるということだ。
行基の活動に便乗した気がしないでもないが、その当時の気分はよく理解できる。
内容は実に興味があって、面白い。但し、お話は、ちょっと退屈?ごめんなさい。
第2講 若草伽藍と斑鳩再開発
帝塚山大学歴史学名誉教授のお話。
創建時の法隆寺は670年に火災によって失われた。
しかし、すぐに七堂伽藍が備わった美しい西院伽藍として再建された。
それでは本当に古い法隆寺は存在するのか?
存在するならどこに?
創建当時はどんな伽藍であったのか?
当時の法隆寺跡を若草伽藍と呼び、ずっと発掘調査や研究に携わって来られた方の講演であるから
実に迫力がある。思い入れが一杯だ。
対隋交易の拠点難波潟まで続く大和川、そこに流れ込む富雄川や飛鳥川などの川を巡る地の利の
重要性、川の両岸を押さえるために寺社を築いて拠点とする行い。
そういう時代背景をベースに、ただの土くれのなかから創建当時の法隆寺大伽藍を想像の中に
蘇らせるのだ。
おおいなるロマンでもあるし、おおいなる謎解きでもある。
時間はあっという間にすぎてしまった。
さて、昼飯だ。
これに参加すると弁当を頼むこともできる。
精進弁当だ。おもしろいから頼んで見た。今日の中味は下記のとおり、
山菜入りちらしずし
天麩羅盛り合わせ(南京、長いも、ピーマン、椎茸)
炊き合わせ(高野豆腐、昆布巻き、三度豆、花蒟蒻)
菜の花浸し、ゴマ豆腐、さつま芋の甘煮、フルーツ
中々おいしい。精進というより家庭野菜料理盛り合わせみたい。
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ありがとうございました。