ホーチミン、フエの旅ー11

ホーチミン、朝の散歩
さあ、朝が来た。ちょっと不安な朝だ。列車の出発は12時20分だから、かなり時間がある。
というものの落ち着かない。
まあ、少し散歩して、何かお土産でも、いいのがあったら買っておこう。
さすがに繁華街は朝早くからは開いてないから、少し北の方に行こう。
今は、ホーチミン市内は拡張中なのだろうか、工事している所が多い。まずホテルを
出て右に曲がって、直ぐに左に曲がると繁華街のドンコイ通りに向かう道だ。
入った途端に左側で工事をしている。歩道を掘り返しているが、迂回の歩道をつけて
いるわけでもなければ、交通整理員がいるわけでもない。
しかも右の歩道も、敷石を掘り返した状態でほってあるから歩きにくい。
どうしても車道に降りたくなる。そこへバイクが押し寄せてくる。車だと、人をよけて
通ってくれるが、バイクは群れだから道を一杯につかう。
「こわい」
しばらく歩くと、今度は右側の歩道の内側が工事現場だ。右の歩道、左の歩道とバイクを
気にしながら歩いていくとドンコイ通りにあたった。そこを右折してしばらく歩くと
大きな教会が見えた。聖母マリア教会というそうだ。赤レンガの建物で、2つの大きな尖塔
が聳えている。その前は綺麗な庭のある広場になっていて、バイクの人達が一幅している。
そこを左に行くと、ベトナム戦争終結の地、統一会堂に行ける。右側をみると、コロニアル
風の大きな建物が見えた。フランス統治時代からある中央郵便局だ。
この中は空港の待合室みたいに広いし、調度品も古いままつかっているから、見ていて
厭きない。居心地がいいのだ。郵便でも出してみたいなという気になる。
このロビーの真ん中に売店があって、ちょっと可愛い刺繍の小物が売っているので
実は買いに来たのだ。
まだ、時間があるからもう少し歩いてみよう。
ホーチミンの街を歩いていて気がついた事だが、どうも路地裏がないのだ。
アジアの古い街をあるいていると、必ず通りから中に入って行く路地裏の道がある。
それが真っ直ぐではなくて、微妙に曲がっているので、その先がどこへいくのか
気になるのだ。そして、その奥には、住んでいる人達に普段着の生活があるので
その街の空気が感じられて楽しいのだ。
しかし、ここではそういう路地裏が見つからない。
何もかも通りに面しているかのようだ。奥に入る道がない。
そして通りに面して、小さなプラスチック椅子にすわってひがな座っていそうな
普段着の生活が繰り広げられている。
奥行きの少ない街なのだ。