ホーチミン、フエの旅ー37

ホテルに戻り、空港へ
帰りは荷物が重い。
「タクシー呼びますか?」と刺繍店のお姐さんが気をきかせてくれた。
「いや、いいです」と見栄をはったが、何の意味も無い。しんどいだけだ。
外にでてもタクシーやバイクタクシーから声をかけてくるから乗ればいいのにと
我ながら思うが、まあ時間もあるしゆっくり帰ろう。川に沿ってある公園の中を
来た時よりもさらにゆっくり歩く。昨日と違って天気は良いが、暑いわけではない。
木陰が多いのでひんやして気持ちがよい。どこの公園もおなじように恋人達の語らいの
場所でもある。じゃまをしないように歩こう。川原にでると、画のネタになるお誂え
向きの舟が魚をとっている。
「喫茶店でもあれば」ゆっくり景色をみながら休みたいところだが、それらしき店が
あっても近寄ってみたらそうでもない。椅子を並べて自分達で座っているが営業して
るのかどうかさっぱりわからん。
休むところをさがしているうちにホテルについてしまった。
「ホテルでコーヒーでも飲もう」としたら、レストランは閉まっているし、ロビーも
営業していない。
「しゃないなあ」ロビーで一幅してから、ちょっと早いけど、預けてあった荷物を
貰って空港に行く事にした。
「空港までどれくらい?」と聞くと、「20分くらい」だそうだ。
新市街を南に抜けて西の方に走っていくようだ。
今までとは違った、ごく普通の町並みがある。「今までは何やったんやろ」
観光遺跡にくっついた小さな町という感じであったが、大きな市街地だ。カラオケも
あればマッサージもある。レストランも多い。ショッピングセンターらしきものもある。
「何でもあるやん」しかしもう終わってしまったことだ。
タクシーのメータを見ると、びゅんびゅん回っている。超高速回転だ。
「何で?」殆ど1秒2秒で上がっていく。
前にホーチミンでも出会った事があるが、
「外国人向けのスイッチかなんかがあるんやろか?」
「ベトナム人同士こんなことやったらえらいことになるで」
「最終的にいったいいくらになるんやろ?」えらい心配になってきた。
「最後はけんかせんなんのかなあ?」メータをにらみながら、長い長い20分だった。
それでもついたら、ざっと1000円くらいのものだ。
「つりはええよ」と急に余裕のおじさんになってしまった。