京都蹴上浄水場

昨年末に富岡鉄斎、泉屋博古館を見た帰りだ。雨も上がったので歩いて帰る事にした。
ぶらぶらと歩いていたら、いつの間にか平安神宮を過ぎて、京都市美術館、動物園の
あたりまで来ていた。
浄水場のようなものがある。「蹴上浄水場」と書いてある。
いつもは車で通り過ぎる事が多いので、あまりじっくり見た事がない。
「なかなかええやんか」
実は、昔、このあたりに与謝野晶子と鉄幹が暮らした旅館があったそうだ。
与謝野晶子と言えば、私が住む堺の出身だから縁がある。
「御目ざめの鐘は知恩院聖護院 いでて見たまへ紫の水」
「ろまんちっくやね」
堀にそっとしばらく歩くと、大きな柳の木があった。
「これは姿がいい。おおらかだ」
この枝ぶりと葉の具合は、水墨画でよく出て来る感じだ。
素材に使えるのでよく見ておかないといけない。しっかり写真にとっておこう。
じっと見ていると、てっぺんに鷺のような鳥がいる。
しばらくひょこひょこしていて、そのうち、羽を広げて飛んでいった。
もうすこし、堀のそばを歩いていると、向こうにあの妖しい藤井有鄰館が
見えた。
洋館の屋上に、中国にお堂のようなものがある建物だ。
いつも気になるやつだ。あれも中国から持ってきたのだろうか。
朱塗りで反り屋根。
ものすごく変なバランスやけど何となくおさまっている。
年月のなせる技なのだろうか。

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