熊野古道の旅ー13.日本最長路線バスに乗って本宮大社まで

「朝ごはん何時にします?」前の日に聞かれた。
「バスが9時やから、7時でいいよ」と答えた。夜は何もすることがないのでさっさと寝た。
必然的に早く眼が覚める。ちょっと早いが朝飯を食べに行った。那智の宿で一緒だった人達は小雲取越に
もう出発した後だ。私達より年齢は上なのに何の問題もなさそうだ。悔しい。けど仕方ない。
さてご飯を食べて、荷物の準備もすっかり終わってもまだ時間がある。
「念の為にバス停に行っとこか」、「場所と時間の確認をしとこ」
それでひょこひょことバス停まで歩いていった。
「えらいこっちゃで、今日は日曜やろ、9時にバスなんかないで」
「えっ、ほんまかいな」何度確かめても日曜には9時のバスはない。11時までないのだ。
「こっちの時刻表の8時のバスに乗ったら、神丸で本宮行きに連絡って書いたあるで」
「それって熊野交通とちごて、奈良交通なあ。大丈夫かな?」
「奈良交通やったら、きっと新宮から八木まで行く日本最長路線バスのことやで」
「前にテレビで見たことあるわ。関口知宏の番組でやってたわ」
「前から乗ってみたかったんでちょうどええわ。一部分でも経験できる」
今、8時15分前だ。「急いだら間に合うで」あわてて宿まで帰った。出発の準備もすませていたのでよかった。
すぐに荷物を持ってバス停まで引き返すのだ。
宿のおっちゃんに事情を話すと、「そりゃあ悪いことしたなあ、神丸まで車で送ったろか」と言ってくれた。
「ええよ、バスあるから」ちゃんと確認しなかった我々が悪いのだ。
バスはじきに来た。

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今日は雨が降るという天気予報だったがまだ大丈夫のようだ。曇りの中に晴れ間も見える。
朝霧がかかった山の下には農村があって畑があって川が流れている。
いいところだ。

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「神丸で本宮行きに乗り換えるんです」
「??、あっ奈良交通さんか。本宮行きはバス停がちゃうから気いつけてよ。あの先の家の向こうやで」
乗り換え駅は歩いて5分程かかった。もし、0分の乗り換えだったらどうしてたんやろ。絶対間に合わないが
乗り換えだから待っているのだろうか?不思議だ。
暫く待つと奈良交通がやってきた。奈良の八木まで行くやつだ。
和歌山と奈良を結ぶ幹線山岳道路、国道168号をゆるりぷーぷーと走るのだ。時々すれ違いでバスの方が路を
譲っている。バスとバスのすれ違いは事前に時間がわかっているらしく、しばらく待って調整していた。
「バスに乗ったら歩かんでええから楽やわ」
当たり前の事を思いながら、聞いた事のある温泉や、神社やらをぼんやりみながら通り過ぎていくと、もう
本宮大社だ。
「このまま八木まで乗って行ったら、あと何時間かかんの?」、「6時間ちょいやなあ」
これでは次の便にのっても大阪に帰るのはかなり遅くなる。

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さて、本宮大社にお参りして、今回の旅のけじめをつけよう。
本来なら、小雲取越で廻って来るとこの本宮大社の社の横の方に到着するはずだ。そういう来方をしたかったが
残念だ。
山歩きは終わってみれば爽やかさが残る。息が切れるのも足が痛いのも一時の事だ。それには代えられないものが
あるのだ。特に今回は、山中を歩くなかで、深い森がはきだす精気や霊気というものを強く感じた。
山頂に到達して、遠くはるか美しい景色を眺める達成感というのも良い物だが、又それとはちがったものだ。
それはマイナスイオンとかフィトンチッドとか言う言葉で表わされるもの以上に爽やかでパワーを満たされるもの
であったように思う。我が故郷である紀伊の国の力をあらためて誇らしく思った。
こういうものはただ単にたまたまここにあるというのではなくて、千年以上もかけて先人が創り上げてきたものだ。
こういう精神的な文化も大事に守って行かないといけないと思う。
こんなに山が乾いてしまうと流石の霊気もパワーが落ちるばかりではないだろうか。

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