北方謙三、楊令伝 1.玄旗の章、2.辺烽の章
北方謙三の水滸伝、全19巻は文庫本発刊の度に楽しみに読んでいた。
その続きにあたる楊令伝は単行本で発刊されているのは知っていたが、できるだけ読まない
ようにしていた。読み始めるとつい夢中になるからだ。
文学的に価値がどうとか、文章に味わいがとかそういう事をいうまえにとにかく面白い。
手に汗握る、わくわくする話がつぎからつぎへとおしよせてくる。
「水滸伝」で梁山泊軍はとうとう負けてしまった。
宋江は死んだ。
しかし、生き残ったものはいる。世の中は乱れたままだ。
そして生き残った梁山泊軍は少しずつ息を吹き返し、集まり始めた。
もちろん青蓮寺も黙っていはいない。必死の残党狩りが続いている。
そんな中で、呼延灼・張清・史進達、猛将も健在だ。
しかし、楊令はどこにいった。
北の情勢はどうなった?アクダはどうしている。
とうとう金という国を作ってしまった。遼を倒してしまうだろう。
その勢いに中に楊令が潜んでいた。
強い。痛快に強い。
梁山泊の残党はどうだ?
南に結集を始めた。洞庭山、太湖のほとりだ。
なるほど、長江が複雑に入り組んだ場所だから、身を隠すにはよさそうだ。
しかも水の便が抜群によい。
そして、再び梁山泊が築かれる。
楊令が帰ってきた。
棟梁としてだ。
うーん又しばらくとりつかれそうだ。
毎週火曜は最近夢中で読んだ本の話です。