ある日、電車に乗ってた。
結構混んでる。
詰めて座ってる。
途中から乗ってきた、足が長そうな、颯爽とした若者。
座らんでもエエのにと思うけど、わしの隣にドッカと座りはる。
さっそくスマホをだして、ピクピクやってはる。
しかも、ドンと大きな組んだ。
電車は狭いし、揺れる。時々足がぐぐっと近寄ってくる。なんだかえらく気になる。
まあ、わしのズボンに当たらへんかったら問題ない。
しかし、時々、危険区域に突入してるで。本人は全然気にしてはらへん。
どうしよう、何か言おうか? それも怖いしなあ。
また、ガタンとゆれる。ググッと近くなる。
そのうち、ガっと足が外れた。
ホッとする。スマホに夢中になってる。かがみ込んで、覗き込んでいろいろ指でピクピクやってはる。
それそれ、ドンドンやんなはれ。しっかり最後まで頑張りなはれ。
わしも陰ながら声援する。関係ないけど。
しばらくしたら、一段落したか、背中をドンと戻して、座り直した。
そして、また、足くんだ。
何やねん。
急行電車やけど、停まるときは停まる。その時もググッと近づきそうになるんで気になる。
しかし、足は当たらへん。一応当たらんように気にしてはるんやろか。
そんな風では全くないけどなあ。
まあ、悪気はないんやろけど。
そろそろ、降りたらええのに。
そうはならずに、また、発車する。残念ですなあ。
わしも気にせんとほっときゃええのに。
せこい性格やからついつい気になる。文句言おうか言うまいか。

とうとう最後まで一緒やった。
とうとう最後までくっつかへんかった。
なんだかわからんけどちょっとだけ、惨めな気分でもある。
また、全然、別の日の別の場所。
こんどは女の人。
こんどはわしの右側。
足、組んでくる。雰囲気的にちょい心配。
やっぱりスマホ見てはる。何か気取ってはる。
靴が尖ってる。これって、ヤバいんちゃう?
でも、当たりそうで当たらへん。足短いからか?
知らんけど。
揺れたら近づく。気になるなあ。
まあ、我慢しよう。当たってないし。
気にせんかったらええだけ。でもねえ。
また、他の日。
今度はバスの中。
学生風のお兄さん。あしの組み方も雑ですなあ。すぐに当たってくる。
当たってしまえばしょうがない。当たらんようお願いする。
それはそれで一件落着。
それにしてもわしって、ちっこい人間ですなあ。
ガハハ・・ええよ、ええよ。どうでもええよ。とおおらかにはなられへん。
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