最近夢中で読んだ本、熊倉功夫、イーユン・リー

  • 2008年1月15日
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熊倉功夫、「小堀遠州 茶友録」
茶会が、大名や有力者達の交友のイベントであり、セレモニーとして、確立していく。
そういう時代にあって、遠州の嗜好や感覚、生き方が一種の文化的な気分を作っていく、
それが、綺麗さびとか遠州ごのみとか言われ、結果的にはこの道の大御所になってしまった。
遠州の夥しい交友を通して、どういう人達の生き様の交錯がこういう時代の気分を作っていったのかを描き出している。
書や焼き物、工芸品等など、興味深い話がいっぱいだ。

イーユン・リー、「千年の祈り」
北京生まれの中国人作家がアメリカでデビュー。
その短編集だが、とても面白い。
毛主席にうり二つの青年がいた。
偉大なる主席が無くなってからそれは大変。メモリアルイベントや映画などの
主役に引っ張りだこ。
だが、いつまでも幸せは続かない・・・。
ある京劇の女形俳優を愛してしまった男。
その俳優との間に子供を作ってしまった女。
そして、舞台はアメリカへ。子供を産まずに済ませるために、その男に相談することになった女。
その相談にのりながらも、愛する俳優の子供なら産ませてしまいたいと願う男・・・。

アメリカに暮らす中国人ならではの世界がとても面白い。

hon080115

毎週火曜は最近夢中で読んだ本の話です。