最近読んだ本、「楽園のカンヴァス」、「湖底の城 3巻 呉越春秋」

  • 2013年1月27日
  • 1人
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原田 マハ、「楽園のカンヴァス
この本とてもとても面白い。
アンリ・ルソーは大好きな画家の1人だ。その画が本の表紙になっているので興
味を引かれて読むことにしたのだ。最初は画にまつわるちょっとしたサスペン
スものなんかなあって気楽に読み始めたら、ずんずん引き込まれてしまう。美
術館の学芸員ってどんな思いで画を見てるんやろってあんまり考えたことなか
った。普段の生活に関係ないもんねえ。こないだ呉の安浦と言うところに行っ
て、向かいの下蒲刈島に行った時、入った「蘭島閣美術館別館」で学芸員の方
に展示中の堅山南風の画の説明をしていただく機会があった。その時にその学
芸員の方の熱い想いがひしひしと伝わってきてそんな風に画を見れてるとええ
なあって思った事を思いだす。
日本とアメリカの有名な美術館の架空のキュレータがルソーの幻の名画を巡っ
て火花を散らす話なのだ。ミステリー仕立て的な小説の展開そのものは面白い
がそれほど特別なものではない。しかし、画に対する知識や思い入れが物凄く
伝わってくる。上等な画の解説を聞かされているようで、それが微に入り、細
に入るとぐんぐんとのめりこんでいくようなのだ。
ルソーってきわめて独特な画を描くと思う。とてもピカソやルノアール、マネ
なんかの居た世界に時期を同じくしていた人やとは思えない。
シュールなようで現実的、暖かい、不思議な感覚。
遠近感があるようでないような。
何かの感情というよりは濃厚な世界が迫ってくるような。
そういう不思議な画を実に見事に解説している。画の解説書として読んでしま
った。

宮城谷 昌光、「湖底の城 3巻 呉越春秋」
紀元前4、500年頃の中国の話、有名な伍子胥(ゴシショ)と言う人が主人
公のお話だ。第2巻までの話で楚の国を立て直そうとしていた父、伍奢と兄、
伍尚がとうとう費無忌の策謀で捕らえられ、処刑されようとしている。子とし
てこれを空しく見過ごすわけにはいかない。
とうとう伍子胥は処刑上を襲うことにした。しかし、戦いに利あらず二人を助
ける事ができずに鄭に脱出する。
同じく鄭に亡命していた楚の太子建は晋の陰謀で殺されてしまった。伍子胥は
今度は呉の国に逃げないといけない。
放浪はいつおわるか。
呉の国で伍子胥はだんだんとその実力を認められはじめる。
「孫子の兵法」の孫武もあらわれた。
昔から歴史で知られた話、伍子胥の名前はこないだの仮名手本忠臣蔵にも出て
きたくらいだ。
おもしろおかしく物語ってくれている。

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