「悪逆」。
黒川博行 著。
「この事件は危ない。腐りそうな気がする」
腐るとは、迷宮入りのことだ。
それほど難しそうな事件が起きたということだ。
箕面市男神山の豪邸で男が襲われ殺された。大迫健司。表向きは広告代理店の社長、実は過払金マフィアと呼ばれるような裏社会の人間らしい。拷問されて殺されたらしいが、現金は残っている。
犯人は何が目的? 何を奪った?
大阪府警の舘野と玉川が犯人を追う。
犯人はとても巧妙だ。証拠を残さない。わずかな手がかりはどうやら、わざとらしい。
ならば、何を奪ったか? 獲物を逃すはずがない。
そして、また、次の事件が。
今度は名古屋だ。人が殺され、金塊が奪われた?
更に、兵庫で襲われたのは、新興宗教の理事長か。
連続殺人とは言え、1番目と3番目は手口がよく似ている。
この同じ犯人かもしれん。共通点を探る。
それにしても、これほど巧妙な手口は、素人とは思えない。
プロの犯罪者か? もしかしたら元警察関係者?
捜査本部は少しずつ、丁寧に、だがもどかしく、進んでいく。
犯人には近づいているのか?
大阪が舞台なんで、出てくる場所がよくわかる。
親しみさえわいてくる。
一方、総合探偵社WBを経営、盗聴器バスターをメインに事業をしてる箱崎と言う男。
本当にこれが本業なのか? 隠された顔があるのか?
そして、昔の闇が浮かび上がる。
あのミサイルを盛んに発射してるややこしい国がからんだ、ヤクの密輸がらみに大きな事件があったはず。あの時の関係者と結びついてるものがありそうな?
それが今回のことと何か?
さて、次の事件は起こるのか?
奪った金塊はどう金に換えるのか?
核心に迫っているのか?
とても面白い。
金は? シャブは? 車は?
Nシステムが活躍する?
とても面白い。
わしの勝手なおすすめ度。
星三つ半。
「魔術師の匣」。
カミラ・レックバリ 著。
女は、幽閉され、剣で貫かれて殺されていた。まるで失敗した奇術のように・・・
不思議な犯罪が起きた。とても異常だ。
美女が箱に入って、奇術師が外から剣で刺すというようなやつがある。まるでそんな形で刺されて、奇術のように無事生還するどころか、無惨に殺された。そんな死体が発見されたのだ。
あまりの異常さにストックホルム警察本部の特捜班、ユーリアのチームは事件解決のコンサルタントとして奇術師でもあり、メンタリストでもあるヴィンセント・ヴァルデルを仲間に加えることにした。対応するのはミーナ刑事だ。
これまた病的なまでの清潔主義者。常に消毒液を持ち歩いてる。
どうなることやら。
メンタリストの見解では、こんどの事件はあきらかに犯人からの何らかのメッセージである。
それが何かを解き明かさねばならない。
そして、また、事件が。
こんども奇術の仕掛けが。
いったい何なんだ。メッセージとはなにか?
謎の数字が浮かび上がった。これはカウントダウンなのか?
ならば後いくつ殺人事件が?
ミーナとヴィンセントが被害者の周辺を洗う。
何かがあるが、それが何かわからない。
過去の記憶と関係があるのか?
遠い過去と?
奇術と関係があるのか?
犯人のメッセージは何を意味するのか?
もしかしたら? 少しずつ?
そして、とうとう、身近に?
まさか? 誰に向けたメッセージ?
とても面白い。
あ
異色のミステリーだ。
わしの勝手なおすすめ度。
星四つ。
ブログランキングに参加していますよかったらポチンとお願いいたします。