万物流転。
ある晩の事。真夜中にガサっと音がした。
フッと見たら壁にヤモリが貼り付いてる。ジッと動かへんかと思ってたら、時々ペタペタと器用に壁面を歩いてはる。しばらくじっとしてたら、ギーギーとうるさく鳴いた。
ヤモリが鳴くって初めて知った。
真っ暗な夜によく似合う。
外の木の上でもガサっと音がした。と思たら、えらい大きな声で鳴きはる。しかもええ声ではないか。昼間見たら極彩色。面白いなあ。
朝市に出かけてみたら、野菜や果物の横に、こいつが並んでた。
食われてしまうんかい。
アジアの田舎で聞いた話。
晴耕雨読。
トンボなんて気にしたことがなかったような気がする。
子供のころは追いかけ回してたけど、いつの間にか意識から消えてしまってた。
気が付いたら、田舎に住んでた。毎日のようにトンボを見かける。蝶々もいる。
花が咲いてるからトンボが来る。蜘蛛が狙ってる? 蜘蛛って家の中にいるだけではないのだ。風にのって木や花の間にうまいこと罠をしかけてはる。
トンボは暑いときによく見る。涼しいときもいてる。寒い時は?
わしはトンボを見るけどトンボはわしを見ない。
トンボを見ると哲学的になるのか?
アジアの田舎の話。
純真無垢。
むかし学生の頃、先輩に聞いた話だ。
ある日、なんだか怪しげな二人連れの男がやってきた。いかにもその筋に関係がありそうな風貌だった。らしい。それでもなんだか優しげで猫撫で声で話しかけてきたそうな。
まんざら見たこともない人たちではなかったらしい。住んでる安アパートの別の部屋に住んでて、顔はしってて、やばそうなやつらやなあと思いつつも付き合いはなかったらしい。
それで何の用かと聞いてたら、今からお前を飲みに連れて行ってやると言う。別嬪さんのおるキャバレーやでと言う。なんでやねん。意味わからん。と思いつつも、断り難い。その頃は、あんまり怖いモンも分からんかったし、金がないのはそいつらも知ってるはずやからと、いやいやながらもついていったらしい。不思議なことに何も起こらへんかったらしい。ただで飲ませてくれた。酔うた気がせえへんかったらしいけど。別嬪さんが来たかどうかは覚えてへんらしい。肝心の用はと言うと、その先輩の知人の同級生の兄さんが、その筋と関係があって・・・
その筋の親玉の女と逃げたとかなんとか・・・
その行方に心当たりはないかとかなんとか・・・
やんわり聞いてきたらしい。脅されながら・・・と言うふうではなかったらしい。
最初からアテにはしてへんかった?
それですんなり返してくれた?
何事もなく只酒を飲ましてもらって帰ったらしい。
盛り上がりもない、意外性もない、オチもない。
アジアの昔の中途半端な都会の街はずれの話。
片雲之風。
この絵は前にも描いた。
芭蕉の「奥の細道」をシリーズ画にしたくて、色々描いた。今も描いてる。
その始めの部分がコレ。
『序章』
月日は百代の過客にして、行かふ年も又旅人也。舟の上に生涯をうかべ馬の口とらへて老をむかふる者は、日々旅にして、旅を栖とす。古人も多く旅に死せるあり。予もいづれの年よりか、「片雲の風」にさそはれて、漂白の思ひやまず、海浜にさすら・・・・・・
カッコええ文章やなあ。こんな気分を絵に描いてみたいなあ。
てなことで始めたというわけだ。
「片雲之風」は四文字熟語辞典をさがしても来いへん。わしの勝手な追加ではあるけど、四文字あそびの絵に追加してしまう。
アジアの旅の話。
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