7年ぶりに行者餅を買いに行った。2時間並んでどうなった?

暑い日が続きますが、暑くるしい話を一つ。

 

祇園四条についた。

九度山発6時35分に乗ったのにもう9時を過ぎている。京都は遠いですなあ。

果たして、遅すぎるのではないか? 不安が過ぎる。

長時間の行列に備えてまずトイレに行っておく。

つぎに冷たいお茶を自動販売機で買う。

四条大橋はもう真夏。

駅を上がると四条大橋の袂だ。今日からほんまもんの夏が始まったようだ。

太陽が強烈な熱波を放射してくる。あたりは、外人さんの観光客ばっかり。こっちの熱気をすごいもんだ。

なんせ、祇園祭、宵山の日だ。人が集まらへんはずがない。

あじあん

四条通を八坂神社の方に向かう。

さすがに浴衣姿の人が目立つ。

昔懐かしい。わけではない。観光客の借り衣装の風物詩。その合間にほんまもんの和装の人もいてはる。

これが京都やねんね。

とにかく暑い。

八坂神社の前の大交差点を渡って東大路を南に降る。

もう汗だくだ。

空が青い。

そのまま坂を登っていく。まだ行列は見えへん。

どんどん歩いても行列は見えへん。「もしかしたら」の楽観論が頭をよぎる。

あじあん

登り切って降りはじめたら東山安井の交差点が見える。

やっぱり行列が。えらい人やんか。行列は東大路をこっちに伸びずに、山手の高台寺の方に伸びている。

「うわっ、えらい行列やないか」

行列の後尾を求めて左に曲がる。いけどもいけども列は尽きない。

高台寺の方に向かってどんどん登る。下河原通りまでついてもまだ行列。角を右にまがってまだ進む。

帽子をかぶったり、日傘をさしたり、自転車を抱えたり。

あじあん

親子丼の有名店などの前をすぎて、やっと最後尾に到着。

「これって行者餅の行列ですよね」って確認して、列につく。

すぐに後ろが埋まっていく。

ここからが耐久レース。

なんせ暑い。ときどき風が吹くのが救いやね。

日陰は少ない。アスファルトの照り返し。車が通る。

水分補給を忘れんように。

ジリジリと行列が進む。忍耐やね。

だいぶ進んだみたいやけど、まだ角まではざくっと50人以上いてる。店までは2、3百人くらいやろか?

わからんけど。

あじあん

行者餅とは。

ところで行者餅とはなんぞや?

粉山椒で風味を効かせた白味噌餡と求肥をクレープ状の小麦粉の皮で包んだモノだ。

とネットに出ていた。AIで調べたら、わけわからん情報しかなかった。

わしは何度か食ったことがあるんで知っている。

今時のお菓子とは違う。昔ながらの素朴な甘みと風味を包みこんだ夏の食べ物だ。

「めっちゃうまい」と感動するほどではないけど、なんだか心に残る味わい。

忘れた頃に食いたくなる。

しかし、これは年に一回しか販売されない。はるか昔、今日の街で猖獗を極めた疫病の退散を祈願するため、祇園祭の役行者山に収めたのが始まりらしい。

「柏屋光貞」というお菓子屋さんだ。

知らんけど。

それいら何百年もこれをやってはる? さすが京都だ。

7年前に買ったときの行者餅の姿だ。

今でも変わってない。

はずだ。

あじあん

7年ぶりだ。

昔は、予約制で売ってはった。1ヶ月前かなんかに予約を受け付ける期間があって電話しておいたら当日、ソレを受け取れる。それでもえらい行列やったけど、かならず手に入るという安心感がある。

店の中は大変だ。人によって予約の内容が違う。その確認と予約客との照合、お金の受け渡し、などなど、てんてこまいしてはる。見てるだけでも疲れるくらいだ。

そのせいかどうか、2016年を最後に予約制がなくなって、誰でも並べが買えるようになった。

わしはそれまで何度か、予約して買ったことがあるけど、2016年が最後で予約なしではならんだことがなかった。

今年は、行くぞ。

今年はコロナも明けたし、7年ぶりやし、行ってみようかって思った。

しかし、予約なしやとどんだけの行列になるか、しかも日曜やし、コロナも明けたし、しかも、昨年はコロナ感染騒ぎがあって急遽販売中止なんて事件もあったらしいんで、ことしはえらいことになるかも知れんとの一抹の危惧はあたt。

来てみると。

案の定、この状況だ。

誰もが心配なこと。こうしてる間にも売り切れてしまえへんやろか?

時々、通りかかる人から声がかかる。「これって何の列ですか?」

「えっ、あの店までえらい遠いけど、ほんまに買えるんですか?」

わしらもそれが心配なのだ。

外人さんも聞いてくる。

通りに住んでる家の人が玄関の扉を開けたとたんの大行列にびっくりして聞いてくる。

下河原通りを曲がるまでほぼ40分かかった。

ここからは降り坂だ。まだ先は長い。

それにしても後ろの二人がやかましい。

どうやら大学生らしい。

こんだけ長く行列にいると誰もが退屈してる。知り合い同士やといろいろおしゃべりするは当たり前だ。

しかし、甲高い声で、叫ぶように大声で喋り合う、ときどき大声だ笑う、というのを延々とやすみなくづづけられると、ええかげん堪忍してよと言いたくなる。

前に、大阪の超有名なおはぎ屋さんで1時間半並んだ時は、若いカップルがずっとおしゃべりしてはったけど、それは全然気にならへんかった。なんだかおしゃべりが上手すぎる。うまいことお互いにボケとつっこみ、聞き耳たてるわけにはいかんけど、ついふんふんとうなづいてしまう。それに声は大きくないし、喋り方も耳障りではない。

なんだかなあ。

この学生さんはまわりを見てない。

それは別として、やっぱり暑い。曇ってる時はええけど陽がさして陰がなくなるとつらい。

そのうち、あれっ、お店の方がやったきたみたい。

あじあん

嫌な予感。

「もう売るものがありません」、「お餅がなくなりました」

「長いこと待ってもらってすみません」てなことを言うてはる。

「あれれ」、これで全て終了か。

後ろの列が崩れた。みなさん帰り始めた。

しかし、前の列は崩れへん。誰も帰らへん。おやちょっとおかしい。まだチャンスはあるんとちゃうやろか。

売り切れを想定して先に言いにきたけど、実際はまだ少し残ってて、最後のやつを売ってはるんとちゃうやろか。せっかくこんだけ並んだんやからもうちょっと様子を見届けよう。

わしもそう思うし、前の人たちは全員そう思ってるみたい。列は崩れずに、少しずつ前にすすむ。

もうあとちょっとで東山安井の信号のとこだ。そこを曲がったらあと数メートル。

もうちょっと。

もう11時半近い。とうとうラーメン屋さんも開店準備を始めた。

こんな行列迷惑やろなあ。すんませんねえ。

あじあん

あっ、見たくない顔がまた出てきた。

とうとう最後通告。「終了しました」、「ありがとうございました」

前が一気に崩れる。

「ああ、あと数メートルやったのに」、まあ、さっきから覚悟はできてたから諦めは早い。

それにしても、目の前でアウトやった人はキツイやろなあ。

こうなったら、来年リベンジするしかないなあ。

てなことで、誰も興味ない話。これにておしまい。

柏屋光貞の地図。

 

あじあん

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