最近読んだ本、「ヘルンとセツ」、「ビトナ」。

  • 2023年5月30日
  • 20人

「へルンとセツ」

田淵久美子 著

あじあん

ラフカディオ・ハーンと妻セツの物語。

とても素晴らしい。感動の物語。

まるで、朝ドラを見てるみたい。

稲田セツは松江城下の武士の家で生まれた。実は小泉家で生まれたんやけど、産まれると同時に親戚の稲垣家の養子に貰われたのだ。

そして稲垣金十郎の娘として育っていく。

頃は幕末の頃。

世の中が激動していく頃。

武士が武士でなくなっていく頃だ。セツのまわりにも非情な運命が・・・

金十郎が商売を始める。武家の商法の典型やろか。

惨めに失敗。

不思議なことに小泉の叔父が支援してくれる。なぜか? セツはやっと事実を知らされる。

もうこれで行きたかった松江女子師範学校にもいけなくなった。小泉の実父が起こした会社で働き始めるが、小泉の家も危なくなった。それでも家族すべての面倒をみなくてはいけない。なぜ?

一方、ラフカディオ・ハーンの数奇な人生が。

4歳のとき母が家をでる。7歳の時に父は再婚してインドへ。ヘルン(ハーン)は置いて行かれ、大叔母さんに。しかし、寄宿学校に預けられ、16歳の時に事故で左目が失明。その後父は死に、大叔母さんも破産。

何という運命だ。移民船でアメリカへ。シンシナティまで辿り着いたが全てを盗まれた。

そしてニューオリンズへ、そこでも波乱続きではあったが、ナンとかジャーナリストに。

そして、機会を得て日本へ。

文は好評ではあるが、やはり食っていかんとあかん。教師として松江に。

だんだんと二人の接点が近づいてくる。

セツの奮闘は続くが、とても大変だ。。なんで彼女だけがんばらんとあかんのだ。

ヘルンはとても評判がいい。日本の文化に興味を持ち、理解して、溶け込もうとしてる。

出雲の神宿る地にやってきたヘルン。

古事記にも詳しいのだ。

通訳は大変。

セツの義父は失敗以来働かない。実父は病に倒れた。今度は弟が大きな借金を。

もうどうにもならん?

頑張れセツ。

ある時、ヘルンは病に倒れた。旅館暮らしは続かない。

誰か身の回りの世話が・・・

セツに・・・・

住み込み女中??? ラシャメンか?

さてどうなる???

セツの覚悟は???

実母チエの毅然とした生き様。家の為なら平然と乞食、物乞いをしてみせよう・・・

ヘルンの求める日本の情緒。

二人は結ばれるのか???

出雲神様のご加護は???

とても面白い。

 
あじあん

わしの勝手なおすすめ度。

星四つ半。

「ビトナ ソウルの空の下で」

ル・クレジオ 著。

あじあん

私の名はビトナ。もうすぐ十八になる。

さすが、巨匠の作品。企みに満ちている。

とても面白い。

生まれたのは南部の全羅道チョルラドで、実家は魚売りだった。とても貧しい。

でも大学に行きたい。SKY大学の一つ延世大学に通った。叔母の家を頼る。いじわる従妹とルームシェア。

厳しい暮らし。街中歩きが唯一の楽しみ。

鐘路にある大きな本屋がお気に入り。片隅に陣取って本と人々を眺めると飽きないのだ。

ある日、私が勝手にパクさんと名付けた青年店員から1通の手紙を渡された。

サロメという女性からだ。

病気のために車椅子に縛り付けられた暮らしをしてる人。本名はキム・セリ。

彼女のところに来て、物語を聞かせてくれたらお礼をくれるらしい。それも少なからぬ額だ。

そして物語が始まる。

チョさんの鳩の話。

彼は警察を退職してあるアパートの管理人を頼まれた。彼は鳩を飼ってる。毎日、彼は屋上に鳩を運ぶ。エレベータで運ぶのは禁止されてるから手で運ぶ。

彼は、何のために鳩を運ぶ? 鳩に何をさせる? 伝書鳩?

鳩には名前がある。めすぎつね あとり ブルー ロビン ロケット 白い矢 ・・・ダイヤモンド、ブラックドラゴン。

サロメに語られた二つ目の物語。

ある日、リム夫人の美容室にキティがやってきた。旅する少女が首にかけた小さな鞄の中にメッセージとは?

キティは子猫。7階に住むヤン・ユミ夫人、「来世でまたお目にかかることを祈ってる」という手紙。

さて、彼らはどうする?

サロメに語られた三つ目の物語。

ナオミは2008年7月のある朝ここ(よき牧者)にやってきた 見つけたのはハナ。

ナオミはあまりにもかわいい。ハナさんはこの子が貰われてほしくない。

さて、パクさんとは何者か? ピトナの恋人になるのか?

サロメに語る物語は、ただの空想なのか? 現実なのか?

それぞれの物語に繋がりはあるのか?

鳩は山を越えてどこにいくのか、北の大地なのか?

ナオミがみつけた鳥、「ピアっ、ピアっ」と鳴く、カケス?

それがなにをもたらす?

めくるめくイメージの世界。

企みに満ちている。

サロメに聞かせる女性歌手ナビの物語。

とても面白い。

さすが!! とは思うものの、あまりにも技巧的なんではなかろうか?

知らんけど。

 
あじあん

わしの勝手なおすすめ度。

星四つ。

あじあんじゃんくしょん
ブログランキングに参加しています。 もしよかったらポチンとお願い致します。 ありがとうございました。