最近読んだ本、「カード師」、「眠りの航跡」。

  • 2021年11月30日
  • 14人

中村文則、「カード師」。

この人の本。いつもとても面白い。
出るたびに読んでしまうし、読むたびに釘付けになる。
今回は、息詰まるギャンブルの駆け引きの話。
大金がかかる、あるいは命がかかる、ここ1番の大勝負。
さて、どうする。もしかしたら、危機がやってきた?
さて、どう切り抜ける。
ワクワク、ドキドキ、手に汗握る。
とても面白い。

そういえば、昔々、遥かな昔、学生時代に麻雀なんかに凝ってた時がある。
よせばいいのに調子にのって雀荘なんかに行って他流試合。
朝まで終わらへんグータラ暮らし。
ある日、気がついたら、全く知らない人たちと卓を囲んでいた。しかも、
えらい強そうだ。しかも賭け麻雀。なんとなくヤバそうな雰囲気。
抜けられへん。このまま朝まで勝負が続きそう。大敗したら払う金はない。
負けられへん。
必死で打つ。夜が更ける。朝が近くなる。まだ大丈夫。
眠くて、他の人もおかしくなってる。
色々あったけど無事切り抜けた。
ささやかな興奮と緊張の経験ですなあ。

彼は占い師。怪しい占い師?
ある組織に関係している?
組織からある資産家の顧問占い師になるよう指示された。そのためには?
その男、佐藤とは何者?
前任の占い師は死んだらしい? なぜ? 殺された?
組織を動かしてるのは英子? それとも?
預かったスマホと爪と髪とノートPCが盗まれた。なぜ?
ある日、クラブRへディーラーとして行けと指示がある。
そのはずが、客としてカードをやる羽目に。
上半身裸にされた竹下を助ける。
ここではレートが高い。
全財産をかけるゲームに参加させられる 全財産が調べ上げられてる。
スロープレイの女?
足りなくてもオールインすれば最後の勝負ができる?
mがいきなりオールインをしかける。私は降りる。別の男がのる。
僕はオールインで勝つ。ギャンブラーが敗北。
勝負がつくたびに、全財産が飛ぶ。それは性的にまで満たされる行為なのか?
女から融資の申し出がある。条件は負けたら抱かれること。
持つものと持たないものの差。
イカサマでイカサマに勝つ。
最後にどうなる?
誰と誰が組んでる?
施設の想い出とは?
錬金術師と魔女狩りの話とは?
さて、そのカードから何がでる?
とても面白い。

呉明益、「眠りの航路」

「歩道橋の魔術師」以来、この人の本は新しいのがでるたびに読んでいる。
今回も楽しみに読み始めた。
しかし、いつものように入っていけない。ちょっと感じが違う。
日本の植民地時代の台湾。
三郎という日本名となって、少年工として日本に渡る。
戦時下の徴用工の暮らし。
台北で暮らすフリーライターの私。
どうも睡眠に異常をきたしているらしい。
正常な時間に眠れない。睡眠がいつ襲ってくるかわからない暮らしでは
正常な仕事はできなくなりつつある。
私は三郎の息子だ。
父の想い出が私の眠りに影響しているのか。
わたしは日本に行こう。そして、戦時下の父の足取りを追ってみよう。
神奈川県の高座海軍工廠で日本軍の戦闘機製造に従事した父の暮らし。
貧しかった台湾人の想い。日本の台湾人。
その想いに触れることはできるのか?
私の眠りは日本で癒やされるのか?
ちょっと難しい。
ちょっと入り辛い世界。

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ありがとうございました。