九州の秘境温泉プラス、湯平、杖立、由布院、黒川温泉を歩く旅が続く。
日田屋さん。
さて、では、旅館「日田屋」さんに戻る。 つげ義春の「貧困旅行記」のメインの舞台は杖立温泉だ。 「千歳館」という宿に泊まったそうだ。この宿は、廃業して今はもうない。 日田からバスで1時間ほどの山の中であるが、歓楽色の濃い温泉である。 東京から蒸発するつもりで小倉まで女を訪ねてきて、その合間に湯平、杖立と回って、ストリッパーの女と仲良くなったが、小倉まで戻って、元の女と会って寝る。しかし、なんだかしっくり盛り上がらずに、東京に帰ってしまった、おしまいという、そんな話だ。 だから何やというんではないけど、本の帯、「漂白の思いやまず・・・・」と表紙の絵に惹かれて、興味を持ったのだ。 そんな事はどうでもいいけど、 ここでは、一日5組のお客に限定しているのだそうだ。 その分、おもてなしが行き届く。わしらにとっては嬉しい話だ。 それと、浴衣を選べるのだそうだ。 浴衣を選んだからと言って特になにもないけど、せっかくやから仰せの通りにする。 胃の手術ですっかり縮んでしまったわしの体ではなかなか寸法が合わない。 適当に妥協して、その日の佇まいとする。 後は、食事にも、お酒にもこだわりのおもてなしがあるというんでそれも楽しみ。
その前に温泉に入ろう。
2階の部屋から3階の風呂場に上がる。 わしは、どうもスリッパで階段を上がるのが苦手だ。足の中で滑るんで、階段を上がる時足をあげたら脱げそうになる。なかなかうまくコントロールできへんのだ。これも歳のせいやろか? 足が上がってない? わからんけど。 風呂場は他にもあるみたいで、ここはわしらの貸切状態。 露天ではないけどゆったり入れる。 この宿は、あるいはこの温泉場は、蒸し湯があるのが自慢の一つ見たい。 温泉の力で、サウナができるのだそうだ。 わしらも入ってみる。 なるほど、こうか。 普段そんなにサウナに入るわけではないんで、実は違いがわからん。 でも強い蒸気がでてる。 蒸しあがったら風呂に入る。 風呂も源泉はとても熱いのだそうだ、うめかたを教えてもらったんやけど、やりすぎて結構ぬるくなってしまった。 まあ、ええか。 お肌ツルツル、間違いなしって、言う事やけど。 爺さんには、そのご利益があんまり実感できへんわ。 関係ないもんなあ。 ここの温泉って、お湯はヒリヒリするとか、硫黄臭が強いとか、そういうのではなくて、まったりと優しいお湯だ。 とてもええ感じ。
露天風呂があったらよかったけど、これも良い。 わしは、長時間お風呂に入るのが苦手な方なんで、せっかく温泉にきても、十分楽しんでるとは言われへん。2度も3度も入るわけでもない。 旅は好きやけど温泉目指して行くのはあんまりない。 それでも最近はちょっと多くなってみたい。
温泉と言えば。
例えば、昨年の2月に行った、銀山温泉や鳴子温泉の旅。
昭和、大正を思わせる風情がとてもよかった。しかも雪景色付きだ。 例えば、熊野古道、中辺路をちょろっと行った時、湯峯温泉の古湯に使ったこと。
平安時代からある温泉だ。 あるいは、酸ヶ湯や乳頭温泉などの旅。
青森、秋田の温泉だけでなく、冬の東北を満喫できた。 などなど、いろいろ行ったけど、お風呂自体よりは、それに伴う旅がやっぱりええのだ。 秘境温泉、奥が深そう。 いろいろと探してみよう。
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日田屋の地図。
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杖立温泉のユーチューブ動画を作ってみました。良かったらご覧下さい。