上海雨の路上にて

上海から帰る日だ。朝飯を食おうといつものワンタン屋に行こうとしていた。
雨が降っている。
ホテルからでてすぐに、「すみません」と日本語で話しかけてきた男がいる。
日本に行った事があると言う。青森の「ねぶた祭り」に行っていたのだという。
元々絵描きなのでねぶたの絵を画くのに参加してきたという。
写真も見せてくれた。ねぶたの絵を画くのにどういう資格がいるのかはしらないが
頑張っているのだろう。「それはよかったね」で終わろうと思っていたら。
「こんなの好きですか」と画を出してきた。「出た!、典型的なパターンや」
相手にしないで逃げようと思ったが、良く見たらなかなか良く出来た画だ。
私よりよっぽどうまい。思わず見てしまった。
すると「これは四季を画いたので四枚セットです」、「あげましょう」とくる。
ますますやばい。「花はどうですか」と別のを見せる。
「もういい、急ぐ用があるから」と別れようとすると、あんのじょう。
「今年も青森に行きたいので、渡航費用がいります」、「少し寄付して下さい」
と言う。「いくら?」と聞くと「いくらでもいい」という。
「そんな話なら、いらない」と全部返そうとすると、悲しそうな顔をしている。
しかたないので幾ばくかのお金をあげた。
普通、この程度の画を買うよりは安い値段だ。
騙されたのかもしれないけど、安い買い物といえるかもしれない。
微妙な気持ちだ。私よりうまいからしようがない。

それで、いつものワンタン屋へ。
野菜饅頭一個とワンタン一杯で十分お腹は一杯。

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雨ふりの変な一日だったなあ。

毎週水曜は食べ物に関する話です。